俵孝太郎もびっくり

 前長野県知事の嫁さんが姓名判断に凝っており、部下の名前を変えさせていたという話は有名で、現田中知事と選挙で争った副知事とやらも占い婆のご託宣を受けて親からもらった名前を変えていた。変名しなければ出世できなかったというのだから大笑いである。
 吉田浩・中本千晶著『小さな会社は「人材の借り物競争」で勝て!』という本がある。この中で、借りてきてはいけない人物のトップが「口からでまかせを言う占い師」だとしている。これはもう「人材」ではなく「人罪」であると断定している。何の根拠もない妄言で人の運命や会社の未来を左右されてたまるか!何百万円もする水晶玉を買って会社の業績が上がるなら何の苦労もない。
 昨夜のニュースで、大相撲名古屋場所の千秋楽後の土俵風景を映していた。行事や呼び出しが土俵納めの儀式をしている端で、虎視眈々と土俵を見つめる野次馬が大勢いた。そいつらは呼び出しの目を盗んでは土俵に昇ろうとしていた。そいつら、何をしたいのかというと、勝負俵や徳俵を狙っているのである。儀式が終わると「ワッ!」と土俵に押しかけて、俵の取り合いを演じる。男も女もなりふり構わず俵を奪い合う。どつきどつかれ蹴り蹴られ、最終的にはほぐされて藁になってしまった残骸を持って帰って床の間に飾るのだそうだ。
 こんなくだらないことをするのは名古屋場所だけということで名古屋人のバカさ加減を全国に見せてしまったわけである。俵は俵、藁は藁、それ以上のものでもないし、以下でもない。そんなもので魔よけはできないし福を呼び込むこともない。
 ロマンがないのかもしれないが、もう少し冷静になったほうがいい。