参院選点描

 愛知県豊田市で開票が大幅に遅れたと中日新聞にあった。その他に蒲郡市幸田町などが夜明けの5時ごろに票が確定したそうだ。選挙事務に従事した公務員の皆さんご苦労様でした。
 前々から感じている疑問がある。それは「何で全国一律に総務省は即日開票をさせるのか」ということである。結果を早く知りたい。それは誰もが思うことだろうが、それが翌日開票にして1日遅れたからといって、どれほどの影響が出るだろうか。
かつて国会で即日開票についてのやりとりがあった。民主党の高嶋議員の質問「非拘束の導入によって即日開票が困難になるのではないか」に対して、当時の片山総務大臣がこう答えている。「国民の期待にこたえてぜひ即日開票をお願いいたしたい」
 えっ?国民がみんな「即日開票」を望んでいるって?嘘だろう。少なくとも私は早いに越したことはないが、別に次の日でもいいと思っている。早い結果を求めているのは、候補者と政治家と選挙を生きがいにしている地元のおっちゃんたちだけじゃないの?一般の良識ある有権者の皆さんは、金も費用もかかる即日開票にするよりも、金も費用も掛からない、それでいて正確さは増し開票事務従事者たちに過酷な作業をさせなくても済む「翌日開票」でもいいと思っているんじゃないの?なんでわずか一日が待てないんだろうね、不思議だ。
 まぁ、こんなことも電子投票にすれば簡単に解決してしまうんだが、これについては自民党の長老議員から「投票は自書に限る」というご託宣があってボツになったらしい。なんで自書なのかと問えば、その長老議員がパソコン操作ができないということと、自書してもらった一票のほうがありがたい、ということらしい。バカか!
 豊田、幸田など開票の遅れが目立つ自治体の理由に「立会人の慎重な点検」というものがある、と中日新聞は書いている。前の衆議院の時に開票作業を眺めていたが、おおかたの作業が終了して、一番最後の疑問票を立会人に確認させるところで、人だかりができて、そこで選挙管理委員会、立会人、職員が20人ほど固まって、1時間くらい停滞しているという光景を見たことがある。あとで関係者に話を聞いたら、疑問票の説明をしているときに、ある党の立会人が疑問票を一枚一枚点検しはじめ、その作業を延々と1時間続けたそうである。党本部の命令とはいえ大した根気だ。
 こんな前時代的な選挙制度は大幅に見なおしたほうがいいと思うよ。麻生太郎さん。(と、呼びかけても届かないけど)