石橋貴明と中居正広の番組に「大沢あかね」という変なアイドルが出ていた。藤田朋子似のやや顎の長い個性の強い18歳の娘だった。中居のことも「くん」づけで呼ぶし、貴明にもため口をきいている。新人にしちゃぁ態度がでかい。これじゃぁ魑魅魍魎の跋扈する芸能界では生きていけめぇ。
と、思ったら、なんのことはない。野球解説者の大沢啓二の孫娘だった。なんだ、じさまの七光りってか。小金持ちの道楽娘が暇つぶしの芸能界入りかい。
と、思ったら、少女向けのファッション雑誌ではブレイクしているし、コマーシャルや映画にも出ているけっこう人気者らしい。それでもさ、ちょっとばかり売れたからって歌手デビューなんておこがましいんじゃないの。デビュー曲が「夏日星」というらしいが意味がわからん。
ところが歌を歌いはじめたら、これが一青窈や平原あやかよりもうまいんだ。ブレスの音が入らない。歌手としての基本を知っているので、この少女の歌は聴いていて心地よい。曲もアイドルっぽくないバラードで声質もややハスキーで曲想にあっている。くどいようだがブレス音がないのがとてもよい。
大沢あかねのように基礎がしっかりしていて、バックボーンがあって、なおかつ本人に野心がある、こういうオーラの強いガキンチョアイドルの登場は歓迎すべきだろう。