名古屋の名鉄病院の医師が59人の予備校生を調査して「喫煙は集中力を下げる」という結果を日本呼吸器学会で発表した。この結論を導き出したデータが非喫煙者40.7%、禁煙成功者36.8%、喫煙者25.9%という合格率を基にしたもので、この程度の軽佻浮薄な内容で学会発表しちゃっていいんだろうか。
因みにわたしは煙草を吸わない。多分、この調査をした二人の医師も非喫煙者だろう。だからって煙草を悪者にするために、ここまで思いきりこじつけていいものではない。
例えば倉本聰、司馬遼太郎である。彼らは自他ともに認める愛煙家だ。彼らが紫煙のなかから紡ぎ出した名作は数知れない。彼らが集中するのに煙草というアイテムは必須なのである。
世の中は喫煙に対してヒステリックになっているが、傍若無人な喫煙さえしなければ煙草のけむりがたゆたう景色も悪くない。映画「カサブランカ」の主人公が禁煙パイポを加えていたのでは洒落になりませんよ。