暗黒の時代

 神奈川県が、勤務中の喫煙を午前1本、午後1本の合計2本だけに制限することにしたそうだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081217-00000008-kana-l14
いよいよ喫煙者には厳しいご時世となったのう。
 かつて、ワシャはヘビースモーカーだった。1日80本を吸っていたから、月に3万円を煙にしていたことになるのか。考えてみればもったいない話だった。ブックオフで本が300冊買えたものを……

 ワシャのヘビースモーカー伝説を聞いてちゃぶだい。
 20代の頃、よくスキーに行った。夜も明けぬ午前4時に三河を出発して奥美濃や信州のゲレンデを目指した。ワゴン車1台に6人というのが定番で、ドライバーは雪道に慣れているワシャと友人の二人が交代で担当する。
 早朝である。眠たい。気付けに煙草を吸う。ワシャも助手席の友人もヘビースモーカーである。引っ切り無しに吸うものだから、前の席で焚き火をしているようなものだった。後部シートの4人も喫煙者なのだが、余程、煙たかったのだろう。「煙草を吸うな」と叱られてしまった。

 昔は仕事中に自席で煙草が吸えた。灰皿が事務机の上に鎮座していた時代があったんですね。30代の頃、繁忙期に会議室にこもって仕事をしていた。事業部門の担当者をその会議室に呼び出し事業のヒヤリングを行うのだが、査定官(ワシャだわさ)があまりに煙草を吸うものだから、一番奥に座っていると会議室の入口が煙って見えなくなるほどだった。非喫煙者の担当はその会議室をガス室と呼んで恐れていたという。

 そんなヘビースモーカーが、ある晩、夢を見た。巨大なシャチが分厚い胸びれでワシャの胸を圧迫するのである。これは息ができない。苦しさのあまり目を覚ましてしまった。起きてもなんだか胸が苦しい。これはシャッチーくんのお告げに違いないと悟って、その瞬間から禁煙した。

 冒頭の話に戻るけど、神奈川県職員の喫煙者は、こんな惨めな思いをするくらいならいっそのこと禁煙した方がいいと思うよ。1日2本じゃかえって体に悪いって。
煙草の暗黒時代が到来する前に煙草を止めることができたワシャはラッキーだったわい。めでたしめでたし。