宴席の喫煙

 先週、3日連続で宴席が続いた。壮行会ばかりである。水曜日は、いつもの料理屋の道路に面した広間で芸者衆を揚げての宴。喫煙者も何人か混じってはいたが、ここは紳士的に分煙ということで、座敷の外で吸ってくれていた。おかげで座敷は清浄な空間が保てたのでありがたい。
 ただ、若い連中がどんちゃん騒ぎをやっていたので、清浄ではあるが静謐ではなかった。
 木曜日は気のおけない仲間数人で食事会。この時は喫煙者がいなかったので、快適そのもの。料理もお仕着せではないので、食べたいものを注文して、好きなだけ呑む。話題は主として文化伝統についてである。こういった宴(うたげ)が、ワシャのスタイルにしっくりとくる。
 金曜日は、またまたいつもの料理屋で、今度は郷土の作家ゆかりの部屋で11人の小規模な宴。これが喫煙率の高いメンバーで、6人がタバコを吸う。それでも宴席では遠慮をする方もいるのだが、中には傍若無人な輩もいて、宴会が始まる前から「タバコを吸うのは当然の権利だ」とばかりに自席でスパスパスパスパとやるのだ。それもチェーンスモーカーなので、最初から最後まで吸いっぱなし。そいつが口火を切ってしまったので、もうモクモクの宴席になった。帰宅した後に、体中が臭いのなんのって。たまりまへんで。

 ワシャは禁煙原理主義者ではない。だからきちんとマナーを守って吸ってくれる分には構わないと思っている。紫煙の香もそれほど嫌ではない。そもそもがヘビースモーカーだったんでね。
 しかし、タバコの煙に燻されているような状態は嫌悪する。燻製を造っているんじゃないんだ。なんでそんな部屋でタバコの煙の染みったような肴を食って、冷えた熱燗を呑まなきゃならないのか(泣)。