社会面の片隅に、南とめさんの訃報が載っていた。この人、映画の世界では有名なエディターで、フィルムの編集にその生涯を費やした人である。映画の最終工程であるフィルム編集は、ぎりぎりの時間との戦いで、仕上げのスピードと精度の高い正確さを同時にもとめられるという過酷な仕事である。その正確な仕事は86歳まで続けられ、黒澤明を始めとする映画関係者から絶大な信頼を得ていた。彼女の仕事は優に600本を超え、そのラインナップを見れば、まさに戦後の映画史といってもいいくらいで、この方の仕事の偉大さが偲ばれる。
奇しくも今日が南さんの94歳の誕生日である。ご冥福を祈りたい。
南さんの事績についてはhttp://www011.upp.so-net.ne.jp/nanan/index.htmlを。