うすっぺら

 百田尚樹原作の『海賊と呼ばれた男』の映画があちこちのテレビ局で取り上げられている。しかし、原作者の話に触れることはタブーなのだそうだ。なんのこっちゃ。『海賊と呼ばれた男』は百田さんの作品であり、テメエら偏向メディアの事情なんかどうでもいい。『海賊と呼ばれた男』の原作者が誰なのか、正確な情報を報道しろよ。TBSなんぞは、過去に百田さんの本屋大賞を取った事実すら隠している。これが日本のメディアの現実なのだろうか。思想的に右であろうと左であろうときっちりと情報は出せよ。日本の現状は、支那北朝鮮を笑えない(泣)。
 月刊「Hanada」の巻頭言を大阪大学名誉教授の加地伸行さんが書いている。2月号は『荀子』の勧学からである。
「古人曰く、小人の学ぶや、耳に入れば口に出す。口・耳の間は、則ち四寸なるのみ」
 かつて、百田さんはこんなことを言っていた。
「自分は100のインプットに対し2〜3のアウトプットしかできない」
 ううむ、さすがベストセラー作家である。インプットを溜めに溜めて、それが熟成した中のエキスだけをアウトプットしているから、あれほど作品がおもしろいのである。
 加地さんの巻頭言の話だった。毎号読んでいるが(『WiLL』もね)、その知識の広さ、奥行きの深さにはいつも感服している。その加地さんが、『週刊東洋経済』のコラムに呆れ果てておられる。「忍者某」と名乗るフリーライター、知識も浅く、根拠も調べず、偉そうに歴史の薀蓄をたれる、耳から入ってきたことを口から出すばかりではなく、曲解して出すから始末に負えない。
 
《「大雪欠航」でゲートに乱入、新千歳空港で中国人観光客大暴れ》
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20161226-00000124-jnn-soci
 さすが支那人の面目躍如といったところか(笑)。日本人ではこういう話をとんと聞いたことがない。バカにしているんじゃないですよ(ププッ)。厚顔な農協様御一行がヨーロッパに足しげく通っていた頃でも、ここまでの騒動はなかった。期待どおりというか……。しかし、笑いごとではない。昨日も触れたけれど、ウイグルでは漢族がこん棒などで武装して、ウイグル人を撲殺している。千歳空港で起きたことも同根なのである。100人なのでこの程度だと思った方がいい。1000人もいれば暴動に発展し、正義感のある日本人が漢人暴動の前に立ちはだかれば殺されている。人口が逆転しているウイグルチベットの人々がどれほど辛い目にあっているか。自分たちの文化を守ろうとすると、「それは独立運動アルヨ。ひとつの中国を乱す行為アルヨ」と迫害されるのである。そもそもウイグルチベット南モンゴルは誰の土地だったのかということである。
 司馬遼太郎は、モンゴル高原漢人の農民が入植する愚かさにずっと警鐘を鳴らしてきた。欲だけで農地を増やそうとすれば取り返しがつかなくなると言ってきた。しかし、残念ながら、漢人は草原の仕組みも知らず、目先の利益のために、草原の土を掘り返してしまったからたまらない。モンゴル高原南部の砂漠化は進む一方だわさ。

 いかんいかん、ワシャも薄っぺらな情報だけで、下調べもせず、ただ書きなぐっているだけだった。どうもすいません。