初々し 舞妓がヨーイヤサ 春の洛

 いやーぁ、堪能しました。春の祇園甲部歌舞練場で、艶やかな舞台が次ぎから次ぎへと繰り広げられた。初々しい舞妓さんが総をどりで十数人舞台上に居並ぶわけだが、桜の枝を持つ細い指が可憐だし、舞台を踏む華奢な白足袋がまぶしい。達者なのは芸妓さんだ。「法住寺殿今様絵」、「二条城大広間雪見」などで色っぽい大人の舞を披露してくれる。正味1時間の舞台だったが、束の間、俗世を忘れさせてくれるひと時となった。
 基本的にわたしは 野郎歌舞伎が好きなのだが、やっぱり本物の女の舞というのもいいものだなぁと実感した。
 京都の春を彩る都をどり祇園)、京おどり(宮川町)、鴨川おどり(先斗町)、北野おどり(上七軒)を見たことがないという方、是非、春に京都へお出かけの際には、ご覧いただきたい。そこにはよき日本文化が在ります。「ヨーイヤサ」の掛け声とともに東西の花道から小走りに駆けて出てくる舞妓たちの技の美をお楽しみください。
 それにしてもさすがに祇園でんなぁ。(なんで関西弁になるの?)そらもう綺麗どころがそろってまっせ。「二条城大広間雪見」に出はった豆涼はんは別嬪はんだっせ。
 幕末、田舎者の新撰組や勤皇の志士たちがお茶屋遊びにはまり込むのも分からないではない。近藤勇高杉晋作のように潤沢な資金のない庶民のワルシャワは、小金をちびちびと貯めこんで、お茶屋遊びに行くしかない。(あ〜いじましい)