平仮名市名について その1

 ひらがなの市名が増えている。むつ市いわき市などは先駈けで、大きいところではさいたま市、直近では、石川県かほく市福井県あわら市がある。今後も合併がらみでいくつかの自治体がひらがな市名になる。
 ひらがなはいいよ。やさしくて、子どもにもよみやすくて・・・という意見もある。だが、一概にはそうではない。例えばかほく市、もともと石川県河北郡3町が合併して市に昇格した。この河北郡が「かほく」のベースになる。ではなぜ河北市としなかったのだろうか、この河北という地名には、加賀国の北をさす加北からきたとするものと浅野川の北の地だったから河北としたという説があるが、どちらにしても室町中期から成立した地名で、500年の由緒がある。それを市の名前にしなかったのだから、諸般の事情はあるだろう。河北郡5町のうち3町で合併したので、河北郡という地名は津幡や内灘に残った。郡名のほうに既得権があるので「河北」と名乗るのを遠慮したのかもしれない。しかし浅知恵。次にこの2町が市になっても隣接に「かほく市」があって、さすがに同じ音の「河北市」とは名乗れまい。とすると津幡、内灘が市になると「河北」という地名は消えることになる。(まあむりやり「西河北市」とでもつければ残るけどね)
 〈「平仮名市名について その2」に続く〉