テレビの終末

《フジテレビ、日枝相談役の進退議論せずと説明、辞任申し出も「ない」…清水社長が取締役会後に取材応じる》

https://news.yahoo.co.jp/articles/f0f5b3d05fd9de66230b9143483b7f7b25cffb0a

 日枝氏、耄碌したね。そしてフジテレビはまともな再起はできないだろう。

 ここはさ、日枝氏が格好をつけるところだった。取締役会でこう言うだけだ。

「オレが辞任するよ。フジテレビの不出来な部分はみんなオレのせいということにして、日枝がすべて悪かったから斬ったということで、社長から報道発表すればいい」

 こうすれば清水新体制で浮き上がる芽もあったろうに。87歳を超えた爺さんにできることはそのくらいだろう。長年、フジテレビで喰ってきたのだから、最後くらいは、責任全てを引被って男の矜持を見せろよ。

《名古屋CBCテレビ新人アナ、母親は驚きの “大物女優”…マツコは『怖いものがない感じ』とツッコミ》

https://news.yahoo.co.jp/articles/f001f2bf7ad00ad5ea6c91facf48431d0b7c7500

 このニュースにもテレビ業界の異臭が漂っている。名古屋のCBCテレビに芸能人の娘が採用されているからといって、ことさらにそれを取り上げることだろうか?

「今ホットな地方局」とか銘打って、ギャラの高い明石家さんまマツコ・デラックスをTBSの安住紳一郎に案内役に当てて名古屋くんだりまで足を運ばせる。そんなことをすれば今後芸能人、スポーツ選手、政治家などの子弟はテレビ局にフリーパスで就職できるようになりまっせ。

 さらに指摘をしておくと見出しの「大物女優」という表現である。それは誰かというと斉藤慶子さんのことだった。

 あれ?斉藤慶子って「大物」でしたっけ??

 今、手元に「CINEMA CLUB」(ぴあ)がある。この本には日本映画が網羅されていて、監督、男優、女優も主だった人が載っている。

女優の「さ」を見ていこう。財前直見斉藤由貴酒井和歌子相楽晴子佐久間良子、笹森礼子、佐藤友美、沢口靖子沢村貞子が並んでいる。

残念ながらここに斉藤慶子さんの名前はない。まぁ確かにバイプレーヤーだったし、大橋巨泉の「クイズダービー」の頃は可愛いタレントだと思っていた。どちらかというと美人タレント、モデル、テレビドラマの女優という印象くらいかなぁ。

 かたせ梨乃主演の「東雲楼 女の乱」で日刊スポーツの助演女優賞をとったことも30年以上前のことである。映画は2013年以降出ていないし、テレビドラマもNHKが2001年、テレビ朝日が2006年、テレビ東京が2012年、日テレ・TBSが2014年、今話題のフジテレビが2022年、これが一番新しい。

 ワシャは斉藤さんのことをくさそうと思って言っているわけではありません。むしろ普通に活動しているタレントさん、女優さんだと思っている。でもね、この記事にあるように「大物女優」だとは認識していない。

 このあたりの表現の仕方を、テレビ局、報道は間違っているのではないか?なにかテレビに出ている芸能人、番組を制作しているスタッフ、関連の業界人が一等で、その他のテレビ・報道に関わっていない人間を二等国民と思っていないか?

 中井正弘氏の件から発した一連のテレビ局の騒動は、根底にこういった意識が流れているのだと思う。

 タレントの娘がどこの放送局で働こうがいいじゃないか。放っておけよ。

 武田邦彦先生が言っておられた。

「テレビの報道バラエティでの出演料は学者が一番低い」

 その上がプロダクションに入っている学者で、その上が芸人、芸能人だそうな。ただしプロダクション学者はテメエの学説を曲げてでもテレビ局の望む発言をしなければならない。反対に最下層の本物の学者は自説を曲げないので次からは呼ばれなるんだとさ。

 もうテレビそのものが終焉の時を迎えている。そんな気がする。