政治家の質の低下

 ううむ、いろいろと考えさせられるニュースである。

《地方議会は障害ある議員に配慮を 活動に支障、総務省が通知へ》

https://news.yahoo.co.jp/articles/3d3688458cd3abfcebb1885d3dbea3ad7b508357

 バリアフリーということで、公共施設、駅、スーパーなど街中はかなり障害者が使いやすくなってきていると思う。

 こういった状況が進む中、熊本市議会の障害者議員を筆頭に《障害のある地方議会議員らでつくる「障害者の自立と政治参加をすすめるネットワーク」》が総務省に要望を出したんだとさ。

 要は「配慮しろよ」ということである。

 ワシャの知っている議会は、建ったのが40年前なので、障害者対応があまり芳しくない。例えば議員席が階段状になっているために、車いすで上り下りができない。でね、ある時、ある議員が足を怪我して車椅子で議会にやってきた。だから数人の議員で議場の席まで担ぎあげて座らせている。それで怪我をした議員はふつうに議会内の仕事を全うした。「障害者の自立」というが、市の庁舎とか議場などというものは、なかなか新築が難しい。とくに田舎の自治体で予算のないところなど、直しようがなかろう。東海地方の金のある自治体だって、前の首長がケチケチだったんで、庁舎はぼっさいまんまですわ。そういった自治体が多いのも現実である。

 それを総務省に直訴して「障害のある地方議員に配慮しろ」というのはやや暴論に過ぎると考える。ワシャの知っている議会で議場内に車椅子用のスロープを設置するとなると、それこそ億を超える大規模工事になるだろう。それも議会と議会のはざまでやろうとしても2カ月では絶対に無理だから、別の場所に仮の議場を確保しなければいけない。この予算も大きくなることは目に見えている。

 なにを言いたいかというと、車椅子の議員が入れば、仲間の議員で議場内を移動させて席に付かせる。トイレや食事も議場から外に出るまではみんなで手を貸す。外に出れば、バリアフリーのトイレもあるしエレベーターもある。

 地方自治体にはそれぞれの事情もあるので、それぞれごとにいろいろな工夫をして、傷害をもつ議員に対応をしていけばいいのでないだろうか?

 特段、総務省にまで陳情要望して求めることでもないと思う。日本人の優しい思いやりの精神が生きていれば、議員同士が手助けしながら議会活動などやっていけるって。

 議会内のことはこれで充分に対応ができるので、健常者も障害者も議員としての仕事に差が出ることはない。

 ただし、議会外の活動には支障が生じるのではないだろうか?議員、とくに地方議員というものはフットワークがかなり必要だと思っている。やる気のないジジイや、化粧の時間ばかりのオバサン議員は知りませんよ。でもね、まじめに議員活動をやろうと思ったら、夜討ち朝駆け、へたな新聞記者よりもハードな議員活動が待っている。それこそ人の手を借りて・・・などと悠長なことは言っていられない。同僚議員よりも先を走って、一番槍をつけるくらいの気概がなければ、どうぞ議員報酬で楽しくお過ごしやす。

 はっきり言わせてもらおう。総務省へ行って要望するなど、単なるパフォーマンスでしかない。足元でできることは山ほどあり、それをこなしていけば障害を持っている地方議員でも、身体だけ健常な議員(笑)など相手にならないほどに仕事ができると思っている。

 それでも「活動が制約され、住民の負託を受けた立場としてじくじたる思い」があるとするなら、そもそも仕事が向いていないのではないか?

 例えば高所恐怖症の人に鳶の仕事は難しいし、蟲アレルギーの人に虫博物館の勤務は酷だろう。

 ある程度、周囲のフォローがあって、なお、議会の業務に違和感があるとするならば、まずは自分の適性を疑ったほうがいいかもね。

《「出せへんてありえへん」「なに笑ろとんねん」市議2人の懲罰を付託、四條畷市議会 大阪》

https://news.yahoo.co.jp/articles/f02f03d1c85aa50c02cb5be03b29274b655bb50b

 四条畷市では健常な議員がお元気だそうだし(笑)、

《「オレが市議だと知らないのか」「おまえらの仕事だ」77歳の市議会議員が廃棄物処理場で“威圧的態度” 分別巡りトラブル 制止無視しゴミを床に広げる迷惑行為 市議会から“パワハラ”厳重注意 北海道北見市

https://news.yahoo.co.jp/articles/92bb5e8472ee460b9fdd1a6bb56cff5fad8590d4

 北見市では健常なお爺さんが「市議」を「偉い人」と勘違いして息巻いている。熊本市議も含めて、もう少し地元のために働こうね。見当違いなところへクレームをつけたり、職員を怒鳴ったり、分別(ぶんべつ)もせず分別(ふんべつ)もないような言動を吐いたり・・・もう少し地方政治家は自覚を持とう。「政治家」などというから付け上がるんでしょうね。市町村の議員は「行政チェック員」とか「議会議決員」とか「地域雑用係」などと呼称したほうが、その実質の活動に近いのではないか?

「政治」ってのは、上記に並んでいるような人物たちが小手先でできるような簡単なものではない。これはフランスに遊びに行って、外人と不倫をして、秘書給与まで誤魔化しているような国会議員にも言えることだけどね。