愛知県西尾市副市長辞職

 今日の朝日新聞の地方版。ワシャのところでは「三河版」で、もしかしたら「三河版」だけのニュースかもしれない。ネットで探したけれど、現時点(31日朝)では見つからない。ただ「三河版」では大きく扱われている。見出しも3つ。

《副市長 悩んだ末の介護離職》

《2年前西尾初の女性登用》

《日進から通勤「災害時、役立てるのか」》

 記事を要約すると、2年前に鳴り物入りで県職から愛知県西尾市の副市長になった女性が「介護」「通勤」「災害」を理由に職を辞すという話。記事を引く。

《昨年6月、母が転倒し、背中と腰の骨を折って2カ月間入院。本格的な介護が必要になった。》

 併せて、この女性副市長、日進市から西尾市まで車で通勤をしている。毎朝6時に自宅を出て片道40キロを走ってくる。本人は言う。

「車の運転が大変。公職者なので、小さくても事故を起こすわけにもいかず、すごい緊張感でした」

 さらに能登半島地震の情況を見て、

《災害時に市役所に駆け付けられるか考えた。「矢作川の橋が渡れないかも」と思うと、「副市長として役に立つのか」と悩んだという。》

 う~む、まず、日進市在住の人、西尾市副市長を受ける段階で、その通勤が大変なことは当初から解っていた。だから当初は西尾市内に単身赴任をしている。しかし母親と同居することになり、自宅からの通勤に切り替えた。今更、「公職者なので」とか「片道40キロなので」というのは、いかにも弁解がましい。

 現在でも2人目の副市長を外部(県庁とか)から登用する自治体は多い。例えば三河某市では名古屋市内から通っている副市長もいる。もっと遠距離、西尾張から三河まで通っていた県職員もいた。

つまり今頃になって、「通勤が大変なんで」は言い訳にならない。18万西尾市民を支える行政のナンバー3なのである。最初から細部まで想定して副市長を受ける受けないを考えるべきだろう。

地震が起きたら矢作川が渡れなくなってしまう」って、おいおい、矢作川を渡る橋はたくさんありまっせ。西尾市の米津橋だけじゃない。上流には志貴野橋、小川橋、美矢井橋、渡橋、矢作橋、日名橋、岡崎大橋などいくらでもあって、災害時にこれらの橋が全部やられるなんていう地震が起きたら愛知県は壊滅だわさ。

 そして「母親の介護」である。朝日の記事でも冒頭に「働きながら介護をする人」の人数を出して、「管理職の介護離職が女性の問題としても重要になってきている」という専門家の指摘を出してくる。朝日の論調は「女性活躍と介護離職」の方向に持っていきたいという作為を感じる。

 朝日の作為はどうでもいいけれど、どちらにしてもこの女性副市長は、西尾市より母親を選択したということで、それは当然といえば当然の話である。

 ただ副市長という職責は重い。通勤時間のこととか、地震の話とかは出さずに「母の介護」一本で勝負すればよかったのではないか。

 おそらく「介護離職」に話題を展開したい朝日新聞が創作、強調した部分も多いとは思うけどね。

 まぁ何にせよ、西尾市というのは副市長の在籍期間が短いことで有名だ。前の副市長、その前の代の副市長2人も任期途中で辞職している。大丈夫か、西尾市