引き際

 笑える。しかし哀れでもある。老いるということは残酷なことなんだなぁ。

《「お前もその年くるんだよ」次期選挙不出馬表明の二階氏(85)年齢の質問に不快感 関係者「安倍派幹部への影響さけられない」》

https://news.yahoo.co.jp/articles/1dd905433fd2724d9a3f43edc3b3816939411adb

 大幹事長として自民党に君臨した二階俊博氏が事実上の引退を表明した。遅きに失したと言えよう。記者との最後のやり取りがおもしろが悲しい。

記者「次の衆院選の立候補見送りを決めたのは政治資金収支報告書への不記載の責任を取ったということか?それとも年齢の問題か?」

林氏(つきそいの林幹雄衆議院議員)「政治不信を招いた。申し上げたとおりだ」

二階氏「年齢制限があるのか?」

記者「年齢制限はないが、年を考えたのか?」

二階氏「お前もその年、くるんだよ。ばかやろう」

 哀れだねぇ。これが幹事長として一世を風靡した政治家の末路なのだろうか?「晩節を汚す」という言葉があるけれど、この「ばかやろう」が、政治家としての最後のセリフとなった。情けなし。

 第三次安倍政権が終わった時に、幹事長も退任し、次期衆院選に立候補しなければ格好よかったのにね。結果として13回目の当選を果たして、この選挙で最高齢(82歳8か月)の当選者となった。そして老醜をさらす結果となった。

 政治家というものはビジュアルも大切で、実際に『国会便覧』(令和5年2月版)の二階氏は黒髪ふさふさで、口も下がっておらず、皺も少ない。調べてみたら1999年くらいの写真で、25年前の60歳時の写真だった。自分でも「老醜」を解っているじゃん(笑)。

 権力は魅力だろう。そして後継者の不甲斐なさもあり、二階氏は衆議院議員の席に連綿と留まり続けた。ただ、歩行はよちよちで、唇は下に垂れ下がり、御髪(おぐし)はさらば草原になっている。最後の記者会見も、腹心の林幹雄衆議院議員の介添えがないとできなかった。

 少なくとも選良たる国会議員は綺麗な最後を考えろ。今回の二階氏の見苦しい引き際を参考にして。