祝、尊富士!

 尊富士が十四日目の浅乃山との取り組みで足を痛めた。それを押しての千秋楽。好調の豪ノ山を押し倒しての優勝を飾った。新入幕の尊富士や、まだ髷も結えない大の里の活躍が今場所を大いに盛り上げた。以下に引く毎日新聞は今場所の展開に疑問符をつけているが、ワシャ的にはとても見ごたえのある楽しい春場所だった。

 毎日新聞を引く。

《「若手活躍は悪くないけど…」 “番付社会”の角界で聞こえた声とは》

https://news.yahoo.co.jp/articles/26fb0c621b99ea14b2260e81833db676b8ae027f

 見出しに対する結論が以下だ。

《だが、看板力士らが壁となることでより一層、盛り上がる。番付社会の「秩序」を取り戻すべく、上位陣の奮起が望まれる。》

 要は、上位陣が不甲斐ないと言っている。番付を「秩序」という感覚もどうかとは思うが、これは芝田山親方の言った「伝統と文化と歴史の中で(作られてきた)番付が崩れてしまう」にもたれての記事だろう。

 まず、「番付の伝統を守る上位」は誰かというと、まずは横綱大関のことを指す。横綱照ノ富士は、ロボットのようなサポーターで固めた両足をはじめ全身の8か所に包帯などを撒いて土俵をつとめる。それも何場所か休んだり現れたりと自由に横綱生活を楽しんでいる。それに大関豊昇龍である。この大関大関としての自覚はあるのだろうか?勝つためには変化もするし、汚い手も使う。芝田山親方が「伝統、文化、歴史」を強調するならば「武士道」もきっちりと学ばせろよ。

 さらに言えば、今場所の番付を見ると上位3人は、照ノ富士、霧島、豊昇龍と全員モンゴル人だ。加えて言うならば、十両で千秋楽まで優勝を争ったのが、水戸龍、欧勝馬、大勝鵬とすべてモンゴル人だった。

 相撲の伝統の中に、「ご当所力士」とか「地元力士」という考え方がある。「パンの山」と言われたのっそりした巨漢力士の明瀬山、この人ね。

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/e19a9f905957ac5b016d5f0faa20b27ffce51944

ワシャの好きなタイプの力士ではなかったが春日井市出身ということで、ワシャは声援を送っていた。地元だから、同郷だからということで、応援したくなる相撲ファンは多い。

 でね、関取(十両以上)と言われる給金を貰える上位の現役力士に、モンゴル人は10人いる(春場所現在)。これは多い。

「愛知県春日井市出身、木瀬部屋」と、場内アナウンスが入るから、「よし愛知県を応援するぞ」となる。

「モンゴルウランバートル出身、宮城野部屋」と聞いても、「ふ~ん」となりますわな。そりゃ衛星中継で見ているモンゴルの人たちは「おおおお!」となるでしょうけどね。

 厳しいことを言う。今、愛知県出身の関取はいない。だから十両以上の取り組みでご当所力士を応援できません。愛知県同様に0の県が17。

日本国内で(というのも変だけど)ご当所力士が多いところは東京で5人。次いで青森、石川、兵庫、鹿児島が各4人。福島、茨城、埼玉、千葉、大阪が各3人。神奈川、静岡、長崎、熊本が各2人。うらやましいなぁ。モンゴルは人口260万人で10人。関取0の愛知県は750万人。これってどうよ。

 日本で(というのも重ねて変だけど)最も関取の多い東京は1400万人。関取1人当たり280万人である。モンゴル人は26万人に1人関取がいるわけで、ご当所力士を応援するという好角家の心理からいえば、これほどバランスの悪い分布もねえわさ。

 それに加えて、モンゴル人力士の素行の悪さよ。もちろん旭天鵬のようなまともな力士もいたけれど、朝青龍日馬富士白鵬逸ノ城、北青鵬などは事件を起こしていて、その他のモンゴル力士も、事件は起こしていないが土俵上の所作、態度の悪いのが目に余る。

 そもそも日本人とモンゴル人では人体をつくってきた歴史が違う。肉ばかりを食べ、筋力や闘争本能、反射神経を培ってきている。精神的にも、農耕民族の日本人とはモノが違うのである。

 今場所、白鵬(宮城野)子飼いのモンゴル人が新序出世をした。居並ぶ日本人の少年力士たちと比べても体格も筋肉も面構えもまったく別物なのだ。これがジンギスカンの末裔か・・・と思わせる。

 

 初代若乃花に頭を撫でられた古い好角家としての結論を言おう。

 上位3人のモンゴル人力士がいなくても大相撲は面白い。十両優勝もモンゴル人3人が争わなくても充分に見どころはある。

 カザフスタン、ロシヤ、ウクライナブルガリア出身の関取がいるが、それぞれ1人ずつが頑張っている。

 モンゴル人だけが26万人に1人などという高い確率で関取の席を占めるのはいかがなものか。

 平成16年初場所にモンゴル人の朝昇龍が優勝賜杯を抱いてから12年72場所中、日本人力士が優勝インタビューを受けたのは、2回だけだった。外国人としては琴欧州把瑠都が1回ずつ優勝しているが、あとは全てモンゴル人が搔っ攫っている。

 これで日本の相撲ファンが喜べるかってんだ。少なくとも平成15年九州場所栃東が優勝して以降、平成28年初場所琴奨菊賜杯を抱くまで、ちっとも楽しくなかったわい。ワシャの相撲好きの人生を返せ~!

 ということで、関取の外国人枠を取り入れることを提案する。でなければ、国籍を取得して北青鵬のように「北海道出身」とし、かつ、生活態度も日本人に改められたらオッケーということにすれば、大相撲人気は再燃すると確信する。

 ともかく尊富士の優勝は快挙であり、大相撲に新たな勢力図を描いていくことを希望したい。