《山尾志桜里氏、任期限りでの政界引退を発表。「『政治家一筋が標準モデル』に何度も違和感」》
https://news.yahoo.co.jp/articles/c8f4d97d44d2e90831faada865afcd83523f88ba
そのことについては特段の感慨はない。政策的にいいことを主張する時も、民進党で埋もれて、どうしても党の空気に流されて言いたいことを言えないことも多かった。ただ脇の甘い政治家だとは思っている。
それはさておき、山尾氏が理由として述べた「政治家一筋というキャリアが標準モデルとなっていることに何度も違和感を覚えました。政治家以外にもやれることがあり、やりたいことがある人こそが、期間限定で政治家をやるようになるといい、そう確信しました」については頷けるところがある。
国政も地方自治もそうなのだが、政治を家業としている輩が多いということは言える。
世襲議員が必ずしも悪いとは思わないが、安倍晋三氏のような例は稀なのである。小泉進次郎や野田聖子を見れば、そのモノの悪さは一目瞭然であろう。
それでも彼らはまだいい。稼業としても家業してもなりわいとして成立しているからね。しかし、政治家を目指し、大学卒業と同時に議員秘書になって、市議会議員、都道府県議会議員になっていく者も少なくない。彼らに共通するのは、他の仕事の経験値が低いことと、議員収入以外の実入りがないということである。
だから、議員報酬にしがみつかざるを得ず、稼業として何期も続けることになる。これがダメだ。
「政治家一筋というキャリアの標準モデル」
こんなものは必要ない。生活者としての庶民感覚と、一定レベル以上の知識と、勉強を怠らない真摯な態度を持っていれば、政(まつりごと)みたいなものは動かせる。「経験」という無駄な時間を費やさなければ「政治」ができないと思っているほうがマヌケだ。
千葉県選出の衆議院議員に林幹雄(もとお)という人物がいる。『国会便覧』には、銚子出身の日大卒、経済産業大臣をつとめ現在は自民党幹事長代理をしている。二階派の大番頭、最側近である。
別の資料に依れば、この人も世襲議員で、しかし、世襲といってもかなり浅い世襲政治家で、まだ「国家国民」よりも「地位名誉」に重きを置く軽薄世襲議員と言っていい。
林幹雄の父が、町議会議員から総選挙に出て2度落選して3度目になんとか中央政界にもぐり込んだ。宮沢内閣の時に環境庁長官をやっているくらいだから、人材的には推して知るべし。
父親が6期で引退をして、その後継として息子の林幹雄が立っているが、父子ともに党人派であり、あまり「国民国家」を考えることは得手ではなかったろう。だから、内向きの便宜を図り「西松建設」系の団体から献金を受けてしまったり、政策に関わることに消極的な行動が目立つ政治家である。
そしてなによりも、ここで指摘しておきたいのが、今回の「中国新疆(しんきょう)ウイグル自治区のウイグル族などへの人権侵害行為を非難する国会決議」が潰された件で、公明党や二階幹事長が悪者にされてはいるが、どうやらちょいと違うらしい。
二階幹事長は幹事長室で、推進派の議員に説得されて決済文にサインをしかけた。そうすれば通っていた。それを止めたのがこの林幹事長代理だと言われている。親中派の党人派の二階派だからさもありなんだよね。
止めた時の言葉が漏れてきている。
「こういうの興味ないんだよね」
ばかもの!
こういったバカの存在を許しているところが日本政治の悲劇なのである。与党の中心に「ウイグル」などのジェノサイドに何の痛痒感も持たない政治家がいて、それがゆくゆくは二階の後を継ごうと言われている。
これは自民党の悲劇と言っていい。
ふたたび山尾氏の言を引く。
「政治家以外にもやれることがあり、やりたいことがある人こそが、期間限定で政治家をやるようになるといい」
2代にわたって政治家以外をやらず、「国家国民」「人権」を考えられず、政治屋以外にやりたいこともなく、要するに勲章が欲しいだけで永田町にいるようなヤツはさっさと去れ。
全員は難しかろうが、半数以上は期間限定・賞味期限付きで政治家をやればいい。そう思っている。