政治殺信本部

 自民党の「政治刷新本部」なるものが発足した。メンバーは写すのが面倒臭いので、こちらをご覧くだされ。下の方にスクロールするとメンバー全員が出てきます。

自民党、政治刷新本部の設置決定 木原誠二氏ら参加》

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA1070X0Q4A110C2000000/

 メンバーを見て、第一印象は「え、刷新じゃなかったの?」というものだった。人事の岸田というか、バランスの岸田というか・・・。長老から若手、男と女、衆と参を適量に混ぜ込みつつ、まさに自民党の縮小版の組織を作るとは、これは名人芸だな。

 清和政策研究会(安倍派)と志帥会二階派)を除いて、他の4つの派閥の実質的な長は揃い踏み。無派閥で力をもつ菅前総理も入れてある。このナンチャラ本部の決定権は、最高顧問の麻生太郎氏、菅義偉氏、本部長の岸田文雄氏、本部長代行 茂木敏充氏の4人が持っている。あとのメンバーは実のところ、どーでもいい。まぁせいぜい幹事長の木原誠二氏が関与するくらいのことだろう。

 そもそも自民党の旧態依然とした体質、派閥、金銭感覚などが問われている今回の問題で、古い自民党そのままの刷新(笑)本部を「新しく作ったんですう~」と言われてもねぇ。

 本部長の下に、代行、代理、副本部長で13人がいる。党員が自称100万人とするなら、自治体で言えば千葉市くらい。千葉市で考えると、市長の下に、市長代行、市長代理、副市長が13人もいることになる。幹事長の下は幹事長代理1人、これは至極真っ当だ。さらにその下に幹事が13人いる。おっと~、本部長の下の人数と数字が一致しましたね。さすが人事の岸田、お見事!

 こういったサブをザブザブ並べるっているのが自民党臭というか、政治臭がプンプンと臭ってくるところなのである。こんな組織を作って「刷新」と大見得を切っているところが末期的だ。

 女性登用は、小渕優子氏を本部長代理に据えているが、幹事長代理以上の要職18人中たった1人。そこはそれ、人事の岸田(笑)ですから、幹事以下で帳尻を合わせるかのように、きっちり3分の1の12人を女性議員を充てている。これに合わせるかのように政治を家業としている世襲議員が12人。東大卒は9人とちょっと足りない。一ツ橋出身の官僚上がりを加えれても10人で、これはキッシ―が学力よりもお家を重んじた結果か。

 こんなことばっかりやって遊んでいるから、国政のことなどお座なりになってしまうのは当たり前。

 首相は「政治資金の透明性の拡大や政策集団に関わるルール作りなどの議論を深めていきたい」と述べたそうだが、そもそも自民党を刷新したいのなら、諸事についてまったく説明責任を果たしていない小渕議員、木原議員、松川議員に、まずは国民に説明をして、「透明性」を確保してから登用するのが順番ではないか?

 言っていることとやっていることがバラバラで、このあたりの感覚がまったく抜け落ちているのが岸田首相なのである。

 前明石市長の泉房穂氏が今朝のテレビ番組でこう言っている。

「私、そのメンバー見て思うのは、刷新本部じゃなくて刷新されるべき方々本部じゃないんですかね。その方々は刷新されるべき方々であって刷新する側じゃないと思います。国民からすると、そういった方々こそが逆に永田町を卒業していただいて、新しい方が新しい政治になさった方がいいと思います」

 仰るとおり。

 国民の政治への信頼を殺さないためにも、ぜひ、日本保守党から中央政界に打って出て、総理大臣を目指していただきたい。

 間違いなくキッシ―の百倍はいい政治ができると確信している。