政治資金パーティーのgood

 帰宅したのは午前0時を回ってからだった。いやはや忙しい一日でありました。

 さて、豊橋で開催された政治資金パーティーのことである。日本保守党の東三河支部の立ち上げの会ということなので、政治資金パーティー研究家(笑)のワルシャワとしては、豊橋までのこのこと出かけたのである。

 会場は駅から徒歩で20分くらいのところにある老舗料亭の大広間。ここに60人くらいの人が集まっていた。

 その内、女性が10数人。20代、30代と思(おぼ)しき女性も何人かおられた。ネクタイを締めている男性が10人くらい。しっかりとした装いの女性も10人程度で、あとの方は比較的ラフな格好で参加している。全体的に年齢はバラバラで、一部の反日本保守党の連中が言っている「ネトウヨジジイ」ばっかりということはなかった。過去に参加した自民党政治資金パーティーのほうが、女性の割合が少なく高齢化が進んでいましたぞ。

 キョロキョロしているのはワシャばかりで、詰めかけた皆さんは、正面に坐るジャーナリストで日本保守党事務総長の有本香さん、河村名古屋市長、東三河支部長の竹上ゆうこさんに注目している。

 午後3時ちょうどに会が始まった。開口は河村市長である。相変らずのミャーミャー弁で「政治の家業化」を批判しまくった。

「議員はええ仕事だわね。高給をもらって、裏金ももらって。そらいっぺんやったら辞められんがね」

 日本保守党の重点政策項目に「議員の家業化をやめる」があり、「国会議員の歳費、地方議員の報酬を一般国民並みの給与にまで引き下げる」と書かれてある。

「政治家いうもんは、一種の利権だがね」

「給料を一般国民並みまで下げれば、やる気のある人しかならんくなるがね」

「今は信念に基づかん議員ばっかりだがね」

 と、7分程度と言われていたにも関わらず、10分以上も「議員の家業化」について持論を展開した。

 最後に有本さんのほうを見て、「ええ死に場所をつくってもらったがね」と言い、ニンマリとしたのである。これはちょいと格好がよかった。

 そして次の所用があるとのことで、日本保守党の法被を着たまま、会場から風のように去っていった。

 次にマイクを持ったのは有本さんだった。

 のっけに「今日の会は政治資金パーティーです。隠そうとするから裏金と言われるんです。すべてオープンにして収支報告書に記載すればまったく問題はない」と言われ、キックバック問題で右往左往している政治家どもをばっさりと斬る。

「私、『政治に金がかかる』ともっともらしく私に言う議員が何人もいましたが、そういう言い方が嫌いなんです。実際に河村市長はお金なんかなくても仕事をしている」

 仰るとおり。小さな自治体の課長くらいの給与で名古屋市長という重責を担っている。シャツのセンスは良くないけど(笑)。

「最初に支部を創るなら愛知県だと思いました。日本はモノづくりで国を造ってきた。製造業を大切にする愛知県、三河地方から攻める」

 おおお、「攻める」という言葉がいいねぇ。今国会でも愛知県の議員はボロボロだった。知事もポンコツだし、日本の愚政治のウイークポイントが愛知県にあるかもしれない。

 続いて話は百田尚樹代表へと展開する。病気の件にも触れながら、それでも百田さんの強い言葉に触れている。

「このまま死ねんやろ。あの自民党のやつらに一太刀浴びせんといかん」

 金も名誉も手にしている大作家が悠々と余生を楽しむことを放棄して、愚者との戦いを始められた。その意気や良し。

 有本さんはこう締めくくる。

「今、日本が貧しく、弱くなっている、こんな政治を止めないといけない。『日本を豊かに、強く。』していくための最初の一歩をここにいる人と歩みだしたい」

 

 政治資金パーティーにはいくつも顔を出してきたが、これ程、聴きごたえのあるスピーチはなかった。岸田首相のも生で聞いたことがあるが、空疎空疎、手帳をかざしてただ声を発しているだけで、なにも聴衆に伝わってこなかった。こんな人が政治の頂点に立っていること自体がこの国の悲劇である。

 

 おっと1700字を超えてしまった。竹上さんのことも書いておきたかったが、また次の機会に。

 帰りの電車で暮れなずむ車窓の風景を見ながら、河村市長と百田代表の言葉を反芻していた。

「死に場所か・・・このまま死ねんか・・・」