政治家のセクハラ?

 ほう、おもしろい。

【《強制わいせつ容疑で被害届受理》 立憲の中堅エース・重徳和彦議員が「車中で中山美穂似女性を無理やり抱き寄せ、胸を触り…」 重徳氏は「同乗は事実だが、わいせつ行為は一切していない」】

https://news.yahoo.co.jp/articles/ca7c0b1000668ce6ff923342516388ec45aed7c4

 重徳議員、実は愛知県知事になっているはずだった。平成23年(2011)の知事選で、自民党から推薦を受けて神田知事(当時)の後継として愛知県政を担っていく。そういうコースが用意されていた。

 ところが、ビートたけしお笑い番組で売り出していた大村秀章衆議院議員が、コント仲間の河村ミャーミャーさん(現名古屋市長)と意気投合したことで、名古屋の河村票とお笑いで顔を売ったことで、重徳氏に100万の票差で勝ったのである。愛知県民は総務省自民党に太いパイプを持つ候補者よりもお笑いチームを選んだ。この選択がその後の愛知県政に大きな影響を与えることになる。

 愛知県知事を2期ほど務めてから、国政に打って出れば自民党の中でも伸びていったと思われる。

しかし現実は、自民党を除名されても河村ミャーミャーさんの力を借りて知事選に出馬した大村氏の後塵を拝した。これが重徳氏の大きな躓きとなった。

 その後、豊田市長選に自民党から推されるが出馬せず。日本維新の会から衆院選に出馬するも選挙区で敗け比例で辛うじて当選。次の衆院選では候補者調整がうまく運び維新の党から出馬し選挙区当選を果たす。その翌年、3人の仲間とともに維新の党を離党し、無所属として活動をするが、まもなく政党「改革結集の会」を立ち上げるが、民進党に吸収され、そして希望の党のごたごたがあり、右往左往しながら最終的には立憲民主党に所属となっている。

 だけど、重徳議員の思想信条を見る時、この人はどう考えても保守政治家で、共産党とつるむような党に所属すべきではないと思うのだけれど、政治というのは複雑怪奇ですな。

 最初の知事選で躓(つまづ)かなければ、全国的にも人気のある知事になっていたか、早々に国政に転じて重要な役職を務めていたか、その人材を知るだけに惜しいことをしたと思う。

 ワシャが重徳議員には好意的であるということを前提にニュースの話に入りたい。重徳氏とは、彼がまだ総務省の官僚だった頃に、愛知県某所で開催された少数の勉強会で一緒になったことがある。その勉強会は終了後に懇親会もあって、いろいろな情報交換をさせてもらった。

 その際の印象では、中肉中背で引き締まった体躯を持ち、顔だちもいい。服装のセンスも良く、清潔な感じを受けた。癖の強い大村氏とは対極にいるようなタイプだった。だから重徳氏は女性にもてるだろう。その会にも何人かの女性がいたけれど、みんな彼には好印象を持っていた。酔った勢いで強制わいせつに及ぶような人品骨柄の卑しさ、雰囲気は、片鱗も見えなかった。

 人柄に接したことのある者としては、今回のニュースを鵜吞みにはできない。

 

 ワシャなりの疑問点を列挙する。

 まず、記事を引く。

中山美穂似の50代女性A子さんだった。2人は帰りの方向が同じだったため、同じ車に乗り、共に後部座席に座った》

 後部座席に座ったということはドライバーがいるんだよね。そうすると密室じゃない。そんな状況で女性を襲ったりするだろうか?国会議員、政治家のスキャンダルがこれほど出ている時代に、常に冷静で頭脳明晰な野党のホープが、いくら中山美穂に似ていようが、酔っていようが、人目のあるところでそういった行動に出るものか?

 それに被害女性は50代ということで、そこいらの小娘じゃない。政治家の出席する会合に顔を出すくらいの人物だ。

《「A子さんによれば、酔っ払った重徳さんは車中で彼女を無理やり抱き寄せ、強引に首元から服の中に手を入れて胸を触ったそうです。彼女は多大なショックを受けていました」(A子さんから相談を受けてきた知人)》

 まず、世間を知っている50代なら、同乗者がそういう行動に出たら軽くあしらいなさいよ。

「センセ、酔ってちゃだめですよ。もうすぐお宅ですからシャキッとして!」とたしなめることぐらいできるよね。50代なんだから。

 首元から手を入れたって、かなり胸元の開いた服を着ていたのかな?どちらにしても並行して座っている車の中で、男が首筋から手を入れて胸を触るっていう態勢は、かなり苦しい。

「やめてください!」と、腕を払えばいいだけのこと。昔、ラグビーをやっていたって、リーチマイケルや姫野和樹じゃない。中肉中背の普通のオジサンだから、50代のオバサンとはいえ、抵抗すればかなりの効果はあると思うよ。

《彼女は多大なショックを受けていました》

 いやいや、それこそ小娘じゃぁないんだ。政治集会に出ようというほどの女性が、政治家に胸を触られたからといって「多大なショック」ってやや大げさに感じる。

「嫌だったわよ~」で、済む話ではないのか?

《選挙の手伝いもした国会議員ともあろう者が酒に酔って、このようなことをすることに、悲しみ、落胆し、また、激しい憤りと悔しさを感じております。本人(A子さん)は、このようなことをした重徳議員に議員の資質はないと考えており、議員の辞職と厳しい処罰を求めています》

 仮にである。議員が人が運転する車の後部座席で起こしたとされるアクションと、それに対する女性の憤りのリアクションが、なんだかバランスが悪いのである。

「落胆」「悲しみ」「激しい憤り」「悔しさ」「議員の資質はない」「議員辞職」「厳しい処罰」

 強姦されたとか、傷害を受けたとかならこのくらいの表現にはなると思うが、「抱き寄せられ胸を触られた」レベルのセクハラで、それも人生経験のある政治家を利用するほどの海千山千の人物の反応としてはやや大げさなような気がする。

 そして、大村知事がトップを務める《愛知県警本部に被害届を提出》したそうな。ありゃ?岡崎署ではないんだね。《県警は警察庁とも協議のうえ、これを受理》ということだが、当然のことながら、トップの知事にも報告が上がっているよね(笑)。

 この第一報だけでは軽々なことは言えないので、次の情報を待ちたい。酔った政治家が後援者の女性にセクハラをしましたとさ・・・という単純な図式ではないような気がする。

 

 蛇足になるが、ワシャは国会議員のプライベートな宴に何度も参加したことがある。東京であったり、愛知県内であったりで開催した。そこには必ず女性関係者というのが同席し、それは支援者や地方議員なのだが、中にはとんでもないのが紛れていて、必ずそういうのは国会議員の横の席を占める。そして酔うとともに、国会議員にしなだれかかり、腕に絡みついてお酌なんかをしている。

 それらの議員は、重徳議員と違って、ずんぐりむっくりの普通のオジサンなんだが、それでもしなだれ女性は積極的だ。店から出ても、ずっと主賓の議員と腕を組んで先頭を歩いていく。

 そういったシーンを度々見ていると、重徳氏のニュースを鵜呑みにはできないのである。