蟄虫戸をふさぐ

 10月に入った。季節が巡るのは早い。ワシャの人生について、ちょいとした決断をしたのが、春分から清明にかけてだったから、ようやく燕が飛び交う頃のこと。あれから半年の歳月が流れ、秋分の第四十七候になっている。

「蟄虫戸をふさぐ」

蟄虫(ちっちゅう)とは、土の中で冬ごもりをする虫のことを言う。その虫が戸をふさぐということで、秋分過ぎから虫たちも冬ごもりの準備を始め出す。

 夏の間、6歳の友だちが、ダンゴムシを採りにやってきていたが、そういえば、庭でよく見かけた虫たちの姿が消えている。秋ですなぁ。

 

 こんなニュースが入ってきた。

《三役格行司の木村玉治郎相撲協会に退職届を提出 師匠の立浪親方「本人の意志が固かった」》

https://news.yahoo.co.jp/articles/c55563fc76325bfbcaa9663f0718e36bff38280e

 ワシャはこの人の行司姿に好感を持っている。仕切りの時に膝をぐっと曲げて軍配を裏返す。格好良かった。この人に早く立行司になってほしかったんだが、退職されるか・・・。

 詳細がまったく説明されていないので、病気なのか、その他の理由なのかが、まったく見当がつかない。現在の立行司式守伊之助に不満があっただけに、次の立行司候補が角界を去ってしまうのが惜しい。

 そうしたらこんなニュースにもヒットした。

立行司の41代式守伊之助が38代木村庄之助に昇進 庄之助空位9年で終了、在位は9カ月の見通し》

https://news.yahoo.co.jp/articles/9313f4ca31bf988f0ead669bb6804e55b2f04ca5

 おいおい、伊之助が木村庄之助に昇進するんかいな。それもたったの9カ月だけ。あの下手な行司を庄之助として見せられるとは・・・。玉治郎もこのあたりに不満があったのかもね。

《伊之助は19年初場所の昇格以降、今月の秋場所9日目で通算11度目の差し違え。裁きが安定しないことが考慮されたとみられ、庄之助昇進は最後の1年のみとなってしまった。》

 なにしろこの立行司の裁きは悪かった。名古屋場所の中日だったか、照ノ富士と若元春の一番で、若元春が押し出しで勝っていたところを土俵際で「まわし待った」をかけて、流れを止めてしまった。回しを締め直して再開したが照ノ富士があっさりと勝ってしまった。

 これなんかも「待った」をかけずにそのままでよかったのだ。土俵上での動きも悪いし、差し違えも多い。「ほおしょうおりゅう」なんかも「ほほしょほりふ~」と和田アキ子の真似をしているし。

 差し違えでなんども進退伺を出しているんだから受け付けてあげればいいのだが、今の理事長以下の決断は鈍い。

 

 ばかこくでねぇ。締めはこの阿呆ニュースで。

《なぜ採用面接で愛読書を聞くと「不適切」なのか?ノンフィクションライターと考える背景》

https://news.yahoo.co.jp/articles/484b43b0a64cc8779a2892fe59cad0ab9fe9846a

《「好きな本は何ですか?」。企業の採用面接でこのような質問が「不適切」とされるのはなぜなのか。》

 冒頭にあるこの疑問自体が疑問だ。

滋賀県教育委員会は高校生の就職試験を行う企業に対し「不適正な質問」を行わないよう呼びかけているが、その不適正な質問には「愛読書」「尊敬する人物」などが含まれている。》

 滋賀県教育委員会か・・・。日教組の強いところやね(蔑)。

 弁護士やらノンフィクションライターがもっともらしい御託を並べているが、面接に来ている若者のレベルや思想信条を見極めるのに「好きな本」を問うのは極めて適切であるということ。

「好きな本は何ですか?」

 と問うて、「ハイデガーの『存在と時間』が好きです」と答えられたらどうします?

 でも、その内容を聞いて、それに滔々とよどみなく答えたとしたら、この若者はかなりの読書家でしょうね。オタクでないことが確認できれば、即採用でいい。

司馬遼太郎の『坂の上の雲』です」と答える若者は、ワシャが面接官ならありがたい。「どこがおもしろく、登場人物の誰に共感したか?」と問えば、おおよその人となりが見えてくる。

佐高信・望月衣塑子共著の『なぜ日本のジャーナリズムは崩壊したのか』です」

 こう答えられたら、それはそれで興味深い。そういった若者とは「どこに共感したのか?」を深く議論してみたい。

 どちらにしても、面接官のほうにもレベルの高い読書歴、深い思想信条に関する知識が要求されるから、かなり難しい質問ではある。

 しかし「してはいけない質問」では絶対にない。面接官側もしっかりとした教養人を並べて、就職を希望する若者たちと議論をすればよろし。

 弁護士がこう言っている。

「思想や心情といったものは本来的に個人の自由とされ、採用選考において考慮されるべきではない。思想などを間接的に知る手掛かりになるため、愛読書などを聞くことにも慎重になるべきとされている」

 思想や信条は個人の自由だが、会社などにはその会社の風土や考え方がある。明らかにマルクススターリン主義にかぶれたような若者がいて、「しかし思想信条は自由だから」って採用できるのかな。

 そういったものを確認するためにも「好きな本は?」と問うのは悪い選択ではない。学生のほうだって、会社の方針を見極めて、それなりの答えを持ってきますから。持ってこないようなバカはそれこそ採用しなければいい。そういうことですな。

「好きな本」くらいで、会社の門戸をふさいではいけませんよ。