たまには中日

 今日は中日新聞を見てみよう。朝日の「天声人語」にあたるものが「中日春秋」である。今日はヤクザ作家だった安倍譲二さんの賭博体験から書き起こして、大阪の総合型リゾート施設(IR)が本日付で認定されることに話を進めている。「総合型リゾート」と言いながらも、その収益の8割はカジノが担うと聞いている。「総合」とか「リゾート」とかいかにもな言い換えをしてみても、所詮は大博打場を開帳するということに他ならない。

 中日春秋氏はこうまとめる。

「反対意見もあるが、ホテルや国際会議場もつくる。経済効果は近畿圏で1兆円以上になる」と肯定しつつ、安倍さんのラスベガスの話に戻してこう締める。

《二時間程度、十万円余の勝ちで満足し終わりに。昔より淡白になった。たどりついた作家の仕事にこそ熱中すべき勝負。人生の選択こそ賭けであり、勝負を争うのは賭場に限らずとの境地だったという。地域の未来を賭ける選択肢も、賭場以外にもあろうに。》

 日本には競馬、競輪、競艇などの博打場が全国にあって、そこにいかにもな人たちが集って金を吸い取られている。この手の公営ギャンブルっていうのは寺銭が高く、とてもじゃないが通常では成立しないような仕組み人っている。しかし、ギャンブラー(ギャンブル依存症)は、一発逆転を狙って町金で金を借り、身を持ち崩していく。

 さらにはパチンコという下品な社交場が、最近は減ってきたようだが、一時期はどこの駅前にも、何軒も経ってて、騒音を道路まで響かせていたものである。こんな下品な風景は日本にしか存在せず、しかもそこに集う紳士淑女から巻き上げた金は、北朝鮮に送金されいていたりする。

 こういった博打を野放しにしておいて、「IR」の是非を問うのはいかがなものか。博打場を「IR」に変えていくということで、公営ギャンブルやパチンコなどを一掃するというなら、結構な話なんだが、従来の博打は温存し、その上に屋上屋を架すって計画じゃん。

 これほどギャンブルに寛容な国家もあるまい。そりゃ依存症がなくならないわけだ。