議会について

 ちょっとだけ昨日のつづき。産経新聞の阿比留瑠比記者が、新聞赤旗の「LGBTQ」への賛同を示す記事に対してこんなツイートをしていた。

共産党がそういうのなら、やめたほうがいいに決まっている。》

 おっしゃるとおり(笑)。

 

 昨日の朝日新聞の特集がおもしろい。1面トップの記事が《「女性ゼロワン」地方議会の4割》。その下にサブ見出しがあって、《50歳未満の女性 議員の2.9%》とある。さらに2面と7面に大きく扱われている。

 2面には《老老男男 壁越えたい》、《女性議員増へ 政治塾や養成講座》、《男女同数 芽生えた多様性》、《増える候補者 市政高まる関心》。

 7面は「全国1788自治体議会アンケート」で、《いびつな議会 変われるか》の大見出し。その他に《「無投票議会」ほど女性少ない傾向》と大特集を組んでいる。

 笑えるのは1788自治体の議会のすべてが朝日新聞のアンケートに答えているところだ。凄いな、この手のアンケートで100%の回答率というのは、普通はあり得ない。やはり全国の議会が朝日新聞にビビッているんだね(笑)。

 さて、そろそろ突っ込みましょう。

「全国の自治体で『女性ゼロ議会』は無投票の割合が3割ある」と朝日は言う。だから歪(いびつ)だと吠える。それは違うな。無投票の議会って、そもそも議員のなり手がいない自治体であり、給与も低く抑えられて、どちらかというと町内の世話役のような扱いを受けている。そういった村役に駆り出されるのはたいていが戸主であったり現役を引退したジイサンであったりする。そういった面倒な仕事を女性たちが敬遠していると言ったほうがいい。

「若年層の女性議員の少なさも際立つ」というが、これも当たり前で「若年層の女性」には、つまらぬ議会などというものに時間を費やしている暇はない。

 トップ記事の締めは、どこぞの准教授を引っ張り出してきてこう言わせる。 「女性を政治のなり手と見ない風潮が根強い地域もあり、女性が選挙に出にくい。『多選』『高齢男性』偏重の議会から脱却できず、さらに女性から縁遠くなる構造がある。地域に必要な女性や若者のための政策が議論できない恐れもある」

 恐れはないって(笑)。そもそもこの准教授、地方自治、地方議会を知っているのかいな。兵庫県明石市の泉市長が上梓された『社会の変え方』(ライツ社)を読んでご覧なさいな。政策を決めるのは市長(市民)であり、その政策を練るのは行政職員たちで、その中には若い世代も当然いるし、女性だって頑張っている。今、ワシャの知っている自治体なんか女性の方が間に合っていますぞ。

「女性を政治のなり手と見ない風潮」って、これも誤解で「村役」だから、「スかたねえべ、だれか行かねばなんねえならオラが行ってくるべ」と、戸主が出かけていく構図があって、奥さんたちは「あんだ、もうスわけねえね」と見送る・・・そういった風景が定員割れしているような議会では起っているのだ。

 確かに老人たちの「選挙好き」というものはある。「老老男男」という傾向もある。しかし、それは根本的な議会のあり方とか、選挙制度そのものに手をつけないと、若い人、女性たちの活躍する場所は限定的だ。

 ざっと知る限りで、女よりも男のほうがモノがいいなどということはない。バカな議員は男女ともに万遍なくいるし、使える議員などごく僅かである。議員のモノの良し悪しを見極める簡単な方法があってね、担当部局に言って「このことについて質問を考えてくれ」という議員はバカである。

 ワシャの友人で、元公務員だったT君は、そういう議員が来ると大歓迎したそうだ。

「先生、お任せください」と受けておいて、こっち側のやりたいように質問を作り、こっち側の都合のいいように答弁を書く。

 そもそも自分で質問も考えられないような議員に、公務員の書いた質問の真意が読み取れるわけがない、ということらしい。

 でもね、まだ「このことについて」と問題を示せるバカは救いようがある(ないけど)。真性のバカ議員は「なにを質問したらいいのか、そっちで考えてくれ」と言ってくる。これは長老議員に多かった。

 しかし、これもね、担当部課長からすれば有り難い話で、1から10までこっちでお膳立てすればよく、まさに行政が議会を操ることができるので議会対応が楽ですわ。

 7面では、全面を使ってアンケート結果を分析している。そこにこんなおもしろい見出しがある。

《なり手不足対策 59議会が報酬増》

 ここには愛知県議会議員の月額報酬97万7000円を筆頭に、どん尻には北海道夕張市の18万円、東京都御蔵島村の10万円などが示されている。

 凄い差ですね。しかし議会のやることなんってそれほど違わないッス。愛知県議会にしても夕張市にしても定例議会があり、臨時議会があり、常任委員会、特別委員会、視察研修や諸々の会議、打ち合わせなどをこなしていく。 働かない議員は月収が90万だろうと10万だろうと働かない。きちんと働く議員にはそれなりの報酬を払っていけばいい。 そうじゃない役立たずには日当で払えばいい。

 ワシャの見立てでは、もう少し人数を限定して、愛知県や神奈川県の97万という報酬は減らしてもいいと思っている。その代わり権限を与えて責任を持たせる。でも、バカでも困るので、一定程度の知識を有しているのかを試験する必要も感じる。しかしそうなると選挙制度の根本的な見直しが必要となるので、実現は難しそうだが、よりよい議会をつくっていくなら、基礎の部分から建て直すべきだろう。