詳細が分からないんで・・・今のところどっちもどっちかなぁ

《市議から「パワハラ」 江南市が改善申し入れ /愛知》

https://mainichi.jp/articles/20220820/ddl/k23/040/124000c

 この記事は毎日新聞なんだけど、中日新聞尾張版にはもうちょっと詳しく載っている。

 要約すると、昨年の11月に商工会議所が「議員定数削減要望」の中で「市職員に対してのパワハラが蔓延している」と指摘したことが発端となる。このことに対して市議会は相談件数などの確認をするように市側に求め、無記名でアンケートを実施したけれど、信憑性を疑問視する一部議員の声があり、記名式の実施に至って、21人の職員が市議からの要求に「精神的苦痛を感じる行為を受けた」と回答している・・・ということ。

 1つずつ検証してみましょう。江南市議会定数22である。現状で人口は10万を切っているから、ちょっと多いかもしれない。人口で倍の安城市が28人だから半分なら14、でも必ずしも人口比ということでもないので16とか18でいいのではないか。

 その定数削減の要望書に「パワハラ蔓延」の件が記載されているというから、結構、すごい議員がいたんでしょうね。ワシャは江南市議会に知り合いの議員がいて、その人とは電話であったり、直接会ったりして人となりを見たけれど、物腰の柔らかい頭の切れる議員で、パワハラなどするタイプではなかった。

 だいたい、パワハラなんてするヤツは、上品ぶってどう取り繕っても性格の歪みのようなものが滲んでしまうから、ワシャのように人を見る目があるオッサンからすると、もう丸見えと言っていい。少なくともその知人ではない。

 でもね、確かに質の悪い議員は多い。ワシャの知っている議会でも、執拗な質問を仕掛けてくる粘液質な議員はいる。けれど、毎日新聞に記載があるような《「どの面下げてしゃべっとる」などパワーハラスメントに当たるとする威圧的な言動》をするようなイモはいないねぇ。

 最近、「どの面下げてしゃべっとる」なんて言いませんよね(笑)。昭和のジジイじゃあるまいし。

 ワシャの友人のT君は、昔、某自治体の職員だったんですけど、かつてはこんな議員が蔓延っていたんですね。彼は、ある宴席で長老議員から、同じセリフを言われたんです。彼はその時、悠然とこう答えた。

「この面ですけど?」

 そうしたら長老議員、よほど頭にきたんでしょうね。こう叫んでしまった。

「殴ってやる!」

 T君、修羅場が大好きな人なので、なめた目つきで静かに言う。

「どうぞ」

 顔を突き出して、最後にニヤリと笑うことを忘れなかった。場数が田舎のジイサンとは違っていたんですね。

 その議員、真っ赤な顔をして激怒したが、同僚議員に止められてしまい、T君を殴ることはできなかった。T君は長老議員と引き離されて、座敷の反対側で宴の最後までゆっくりと酒を楽しんだのでした。

 議員からのパワハラなど、平成時代でもこの程度でどうということはなかった。令和の今日、議員の力などさらに落ちていて、「一般質問するぞ」くらいの脅ししかできない。実に大したことはないのである。

 中日新聞には「精神的な攻撃」、「遂行できない過大な要求」が多かったと書いてあるが、「精神的な攻撃」って、「おまえのカーチャン出べそ」ってな話でしょ。そんなもので苦痛を受ける脆弱な精神ではダメだ。自治体職員はもっと海千山千にならなければいけない。「遂行できない過大な要求」って、行政サイドは法や条例に基づいて業務を遂行している。「遂行できない」ってそもそもルールに基づいていないんじゃないの?だったら、そのことを盾に断固として断ればいい。逆に、行政側に裁量の余地があるのならば、そこは検討すべきで、それは「過大な要求」ではないよね。

 逆に組織内でのパワハラは陰湿で、実はこちらのほうを何とかした方がいい。例えば多選市長が部下をみんなイエスマンにしてしまうとか、副市長が特定の部下だけを「出入り禁止」にするとか、降格・左遷するとかね(笑)。

 

 江南市の事例に戻るが、職員の21人もが「市議からのパワハラがあった」と記名告発をしている。これは、かなり強烈な昭和の議員が独りいたか、複数いたとしたら議会そのものの体質のようなものかもしれない。

 しかし、繰り返すが市議会議員からの強い要求など何ほどのものでもない。江南市職員も、議員に対する敬意を持ちながらも、きちんと議論をしていけばいいのだ。議論に敗けたから「パワハラを受けた」でもあるまい。

 

※49日議員 49日議員