皮肉な日

 3月16日である。この日は1917年、ロシヤ革命が終結した日であり、帝政ロシヤ、ロマノフ王朝が終焉した日でもある。

 三月革命により労働者代表会議(ソヴィエト)が臨時政府をつくってニコライ2世に譲位を迫った。第一次世界大戦の最中であり、生活は困窮し、政治腐敗に苦しむ民衆があらたな歴史のページをめくった。

 しかし、その歴史も地獄の歴史であった。それから70年後にゴルバチョフが登場し、ロシヤを民主主義国家に変貌させようと苦心したが、2000年にプーチンが大統領に就任し、ロシヤの民主化は儚い夢となった。2004年に発刊された『プーチン』(新潮新書)の冒頭に《ことプーチンについては「神格化」する風潮がふたたびみられ、ロシアがソ連のような閉鎖社会に逆戻りするのではないかといった極論すら一部で聞かれる。》とある。

 プーチン政権発足間もない頃にこの状況を予測している。「閉鎖社会に逆戻り」は極論ではなく、現在ではプーチン皇帝の下、当然のように「閉鎖社会」になりおうせた。

 さて、21世紀の三月革命は起きるのだろうか?