謹賀新年

 あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

 午前3時に地元の神社からもどってきました。今朝も、神社でなにやら神事があるということで、行かなければなりません。その後は神社に詰める当番ということで、地元にこき使われております。

 そんなわけで、夕方以降にあらためまして新年ネタ「ローマの休日」を書きたいと思います。それでは行ってきま~す。

 午後5時になっています。今、神社から帰ってまいりました。午前中、神事の支度に始まって、神事、直会、午後は社務所でお札やおみくじの販売をしながら境内の焚火の管理や、暇なオッサンたちの話し相手をして、最終的に社務所を閉じて、帰ってくればこの時間ということですわ。まぁ元旦から大忙しでございます。

 それはそれとして、「ローマの休日」です。ワシャが洋画を本格的に観始める切っ掛けとなったのがこの映画でした。たまたまリバイバルで場末の映画館に掛かっていたものを小学生のくせに観たんですね。もちろん「ゴジラ」とか「大魔神」とかは観ていましたが、洋画というのは字幕を読まなきゃいけない。それが難しいので日本映画ばっかりだったんですね。しかし、主役のオードリー・ヘップバーンに魅了された小学生はませていたんですな(笑)。

 それから劇場で、テレビで、そしてDVDで何度観たことでしょう。だからこの作品に関しては字幕の必要がなくなってしまいました。

 それがまた大晦日に、たまたま点けたテレビでやっていたんですわ。ワシャは紅白歌合戦のようなものを見ませんし、芸能人がワサワサ集まって身内話で盛り上がっているのにも興味がないので、DVDを持っているにも関わらず「ローマの休日」をみてしまったのです。

 さあて、お立合い、いつもと同様に記者団からアン王女に質問が発せられる。

「ご訪問された中で、妃殿下はどこが一番お気に召しましたか?」

 侍従が王女の耳元で囁く。

「どこもそれぞれ・・・」

 王女が発言する。

「どこもそれぞれ、忘れがたく・・・どこと決めるのは困難・・・ローマです!なんといってもローマです」

 ワシャはここでビー泣きをする。毎回である。今回もだ。  そしてアン王女は、わずか数メートル先のジョーに向かってこう続ける。

「この地を訪れたことを、思い出として大切にするでしょう、私が生きているかぎり」

 この後に、二人は一度だけ握手をするが、その後、永遠に触れ合うことのない人生をそれぞれが生きていく。そのことを両者が決心をしてこの場に立っている。悲しいのだけれどその誇り高さに感動するのである。

 ジョーとの一夜を過ごし大使館に帰った王女は、心配して集まった侍従たちにこう言う。

「私が王家と国家に対する義務をまったく自覚していなければ、今晩、戻りはしなかったでしょう。それどころか二度と戻りはしないでしょう」

 この時の毅然としたアン王女の表情は威厳と権威に満ち崇高なものを感じさせる。

 いつもは感動して過ぎていくシーンなのだが、これがいつもと違った思いが脳裏を過った。

「あああ、ニューヨークに旅立った人の貧相なことよ。皇室と国家にたいする義務をまったく自覚していない」

 ノブレスオブリージュを果たせるかどうか、ここは我々下々の者とは違う世界があるわけで、少なくともアン王女はそのことを知っていた。うらやましいなぁ。