瀬戸内寂聴さんが亡くなって、朝日新聞なんか速攻で「天声人語」に書いている。小三治師匠はぜんぜん書かなかったのにね。他の新聞を見ても、読売も日経も中日も1面コラムで取り上げている。唯一、なかったのは産経新聞だけだった。
テレビでも寂聴さんばかりで、いささか飽き気味だ。この人、小三治さんよりもビッグな人だったんだろうか。自由に生きた人だとは思うけれど、ワシャ的にはそれほど影響を受けてはいない。
与謝野晶子、野上彌生子、向田邦子、曽野綾子、田辺聖子などは書庫からぞろぞろと出てくるんだけど、寂聴さんの本がなかなか見つからない。そもそも読んでいないんですね(笑)。
それでも一冊だけ見つかった。ドナルド・キーンさんとの対談本で『日本を、信じる』(中央公論新社)である。これも寂聴さんに興味があって買ったわけではなく、司馬さんつながりでキーンさんの発言をチェックしたくて購入したもの。
なにからなにまで読めるわけではないから仕方がないのだが、寂聴さんとはご縁がなかった。そもそもなにをしたかった人なのかがよく理解できない、ということに尽きる。
それにしても各紙のコラムニストたちは寂聴さんのことをよくご存じで、頭が下がりますな。
あららら、産經がコラムで取り上げなかったのは、寂聴さんが左巻きだったからなんだね。だから歯牙に合わなかったのか。納得だ。