選挙雑感

 自民党は233の単独過半数が取れるかどうかを攻防ラインとしていたので、261議席というのは上出来と言っていい。

 維新は11議席から41議席と大躍進だから大勝利だ。さらに衆議院では第3党になった。これも大きい。

 公明党はワシャ的には嫌いなんだが、与党の一角を担っているので29から32になって善かったね。

 敗北は明確で、立憲民主党は109議席から18議席を落してしまった。立共合作を謀った共産党は12から10とやはり減じている。つまり、政権交代をするために共産党票を当てにした立憲は、イメージダウンばかりが先に立ち、共産党と共々20議席減と相成った。自民党の減が15なので、それよりも少ない議員数のところが20減というのは大敗北と言っていい。

 しかし立共合作を進めてきた朝日新聞は「大敗北」と書かない。《立憲、共闘効果は限定的》と見出しを打っている。今回の選挙結果を見れば、大失敗と言うことになる。まともな無党派層は、さすがに「共産党」の危うさを知っている。そこと閣外協力(福山哲郎は「閣外からの協力」と言い直していたがどう違うんだ?)をやってしまう立憲民主からは当然のこと、判断力のある有権者が離れていってしまうのは自明の理である。

 これだけの大敗北、立共合作の大失敗を受けても、枝野幸男氏は代表を辞任するつもりがさらさらない。これも、民主集中制を党是とする共産党にあやかったか。志位委員長は20年もトップに居続けているもんね(笑)。枝野氏もずっと代表で居続けてくだされ。いずれは社民党の後を追うことは必然なんだから。

 そういった意味では、大阪10区の辻元清美候補の落選は象徴的だった。10区の有権者13万3千人余から「ノー」を突き付けられた。これはちょうど辻元氏の得票の倍だ。自民党の重鎮だった山タフが応援に入ってもこれだから、よほど辻元氏の評判が悪かったんだろう。もう少しまともになろうよ。

 

 さて愛知県である。小選挙区15のうち11を自民が1を国民民主が取った。立共合作で得た議席は3だった。愛知県候補の比例の当選は、自民4、維新2に対し立共は半分の3議席でこの辺りにも退潮の兆しがうかがえる。

 とは言え強いところは強い。3区の近藤氏は2万2千票余りの差をつけて当選。12区の重徳氏は1万4千余、13区の大西氏も1万4千近い票差で勝っている。12区、13区は今回の11区ショック(トヨタが自民候補に乗ったこと)の影響を受けていたが、終わってみれば相変わらずの立憲候補の当選だった。この2つの区については、党員票、労組票、公明・共産票以外の無党派を動かした何かがあると見ている。この点についてはもう少し分析してから書くことにする。