悲劇のアフガン

 朝日新聞がトップで《タリバーン勝利宣言》と打ってくる。なんだか紙面が喜んでいるような錯覚をするが、朝日新聞のことだからホントにそうかもよ(笑)。今まで「タリバン」と言ってたのを「タリバーン」と言っているし。

 ネットにもこの関係のニュースが満載だ。他はみんな「タリバン」だけどね。

《新政府承認「タリバン次第」 女性の権利尊重、テロ支持拒絶必要 米》

https://news.yahoo.co.jp/pickup/6401901

《在アフガンの日本大使館を一時閉館、大使館員はドバイに退避=外務省》

https://news.yahoo.co.jp/pickup/6401932

タリバンと中国が急接近…アフガン政府崩壊の影響は》

https://news.yahoo.co.jp/articles/869135d768880d6f4c03886abf4d7781943eb3d1

 ともかくイスラム過激派、イスラム原理主義者の支配する地域が、アジアの一角に出現したということである。

 ワシャは「タリバン」が大嫌いだ。それは2001年のバーミヤンの石仏破壊という暴挙を行ったからである。二体がダイナマイトとロケット弾によって攻撃された。イスラム教が偶像崇拝を許さない宗教だが、2500年もそこに佇み歴史を見続けてきた仏教遺産を、いとも簡単に壊せるその神経が信じられない。バーミヤン大仏を壊した瞬間にこの腐れ宗教家どもには一遍の正義もなくなった。

 それにしてもアフガニスタンに住む人たちは悲劇だ。1997年11月にアメリカのオルブライト国務長官イスラマバードでこう発言している。

「われわれは、タリバンの人権侵害、女性・子供に対する卑しむべき取り扱い、人間の尊厳に対する尊重の重大な欠如のため、かれらに反対する」

 オルブライトは立派である。アメリカのフェミニストのグループに推されてこの発言をしたという。日本のフェミニストたちよ、アフガンの苛酷な状況に陥っていくアフガンの女性たちのために行動せよ。国会でピンクの服を着て踊っている場合ではないぞ。

タリバン」は女性たちから教育を奪っている。政権を盗ったとなれば、女性への抑圧はさらに加速するだろう。

 朝日新聞は、アフガニスタンベトナムに重ねて、《どちらの戦争も、あまりに多くの命を奪った。》ともっともらしく言う。そして《1人の外国兵の死亡の背後に、100倍のアフガニスタン人の犠牲があることを想像すべきだと。》つなげる。

 いいですか、天声人語書きの人、戦争のかたちなんて1つとして同じものはあり得ない。軽々に2つの戦争を「人が死んだ」ということだけでくっ付けてんじゃねーぞ。

 さらに言えば、タリバンが尊崇してやまないのは、ジハードによりイスラム原理主義の世界をつくろうとしていたオサマ・ビンラディンなのだ。

 タリバンアフガニスタン人の伝統や文化であった音楽や踊りを禁止し。もちろん映画、結婚式、音楽会、その他のイベントなど親族でない男と女が同席する可能性のある、あらゆる形態の集会を禁じた。ほぼ民衆の娯楽を奪ったことになる。「悪徳を予防し、美徳を奨励する」として宗教省が設置され、宗教警察が組織された。こいつらが各家庭に踏み込んで、テレビを、ビデオデッキを、破壊していったのである。本、新聞、雑誌も禁止、子供の玩具、トランプ、ボードゲーム、カメラ、タバコ、アルコール類も禁止品目に挙げられている。

 こんな特殊な集団とアメリカは戦っていたんだ。ベトナム戦争と一緒にするんじゃないよ。

 でも「天ちゃん」最後のところでアリバイのようにこう言っている。

《全土を掌握したタリバーンが自らの意に沿わない人に対し、むごい仕打ちをするのではないかと懸念されている。》

 するって。だからそれをさせないためにアメリカが進駐していたんだ。バカじゃねぇのか。理想論ばかりのお花畑で、アフガニスタンの人たちの尊厳が守れるか!それこそ、国連(腑抜けだが)が連合軍を組織してアフガンに治安を取り戻すしかないんじゃないの。ただし、常任理事国のシだかソが裏で妨害するんだろうけどね。

 ううむ、話が拡大し過ぎてしまうが、国連をそもそも作り直したほうがいいんじゃないの(絶叫)。