表現者とシーシー

 昨日、産経新聞を読んでいた。そしたらね、記事下広告で「呉智英」という字が目に飛び込んできた。ワシャは呉さんの不肖の弟子と吹聴しているものであるが、だから「呉智英」という字面に反応してしまうのだった。そんなわけで、呉さんの連載を読むためだけに『週刊ポスト』を2016年から2021年まで隔週で買ってしまったのじゃ。けっしてキレーなネーチャンの裸が見たかったわけではニャい。

 おっと記事下広告の話だった。思想誌『表現者クライテリオン』の広告で、大きく「日本人の死生観を問う」という見出しがあってその先頭に「死を考えることは大衆社会への問い 国語と共同体の崩壊が導く悪夢」というタイトルと「呉智英」と白い髭をたくわえた呉さんの写真が載っている。

 この段階でワシャ的には「買い」は決定した。呉さんの論説が読めて、さらにそれが「死生観」についてである。その上に、この雑誌が評論家の西部邁さんが創刊したもので、保守思想誌なので、ワルシャワとしては熟読しておかないといけません。ということで、職場から駅前の書店まで雨の中を走って、注文をしてきたのだった。

 なにしろ「死生観」はワシャのテーマのひとつでもあり、それを呉先生が語るというのだから、槍が降ろうと、呪霊に阻まれようと、ワシャは書店に向かうのであった。

 

 今朝の朝日新聞である。

《「戦後最大級の緊急事態」 早期の補正予算要求 野党4党》

https://www.asahi.com/articles/DA3S15013237.html

 共産党の志位委員長、立憲共産党の枝野代表、社民党の福島党首がそろい踏みで、「国会を開け!」というプラカードを掲げてパフォーマンスをまたやっている。こいつらが「開け」というんだから「開かない」ほうが国益に適うということなのだろう。

 同じ紙面に、こっちは与党系のバカの記事が載っている。

 

《「会食ではなく打ち合わせ」二階氏、5人で日本料理店へ》

https://www.asahi.com/articles/ASP8K5CZ3P8KUTFK011.html

 自民党の二階幹事長、森山国対委員長、林幹事長代理、公明党の石井幹事長、高木国対委員長の5人で、都内の日本料理店でご会食、ご会談をなさったそうでごじゃります。当然、張り込んでいた記者から「国民側も同じやり方なら会食を持って構わないのか?」と問われ、「会食じゃなくて打ち合わせだ」と弁明したんだとさ。

 加えて「不要不急の会合ではなく、2幹2国は与党にとっては大事な会議だ。黙食だから、食べながらしゃべることもない」と騙っているという。必要緊急なら、永田町にいくらでも会議室があるだろう。1時間をちょっと超した会合で、食事をするのに黙食でしょ。二階などジジイだから、食うのに時間がかかる。たまにポロポロとこぼすから、その始末もしなければなるまい。つまり1時間のうち半分くらいは黙食で、その後も、爪楊枝で歯をせせったり、お茶を飲んだりしなければならないので、実質の打ち合わせにどれほどの時間がさけるのだろう。そんなわずかな打ち合わせのために、幹事長室から出て、車に乗り込んで移動して、どんだけ無駄な時間を使っているんだい?

 そんなもの、自民党幹事長室に4人を呼べばいいことじゃないか。たまたま気心の知れたメンバーで昼飯を食いに行った。だけどボケが始まっているので、国民には「4人以下」と言ったか「5人以下」と言ったか失念してしまったというだけのこと。ようするにアホだわさ。

 このメンバーの中に林幹事長代理の名があるが、この林氏が、例のウイグルに関する決議を「そういうのあんまり興味ないんだわ」と二階幹事長の決裁の手前で潰した張本人でゲス。靖国にも行かず、習近平のケツばかりなめているゲスでゲス。

 こういう奴らは日本料理店でのうのうと5人で食事を楽しみ、下々の庶民は、自粛自粛でストレスを溜め続けている。いいかげんにしろよジジイども。

 こんな連中が、ものの30分足らずで、楊枝でシーシーしながら、日本の今後の方向性を決めているのだ。これは国難と言っていい。

 自身が表現者として、その能力が果たせないと自覚したときに、他者に迷惑のかからないように自栽された西部邁さん、よぼよぼになっても己が見えず権力を手放さないシーシー議員、どちらが国を思っているか自明の理。