宗教のかたくな

 昨日は忙しかった。午前中はちょっとした義理があって、ある空手の大会を参観した。小学生の低学年くらいの子供も空手の型をやるんだけど、これがかわいい。下はそのくらいから上は高齢者まで頑張っていた。微笑ましい。
 大会自体は夕方まで続くのだが、ワシャは中途で失礼をして、地元に戻り、地域の役員との打ち合わせ。これが1時間ちょっと。終われば午後2時半を回っている。それから隣町まで衣料品を買い出しに行く。それこそスーツから綿パン、エアリズムまで、夏物を揃えないとね。
 隣町の大型ショッピングモールに出かけて、とりあえず必要なものを購入した。三ツ矢サイダーも欲しかったので、モールの中にあるスーパーを覗く。そこでちょっとびっくりしたことがある。
 レジ脇に黒い塊が立っていた。一瞬、「千と千尋の神隠し」に出ていたカオナシか、とも思ったが違った。顔もなかった。

 それはムスリムの女性だった。最近、ワシャの住む田舎町でもヘッドスカーフを着用したヘシャブという格好は見るようになった。これは髪、耳、首は隠しているが顔は出ているので、表情をうかがうことができる。街中でよく見かけるのは、ヘッドスカーフ以外は長袖、長ズボンという格好、せいぜい顔は出すチャドルだった。それが昨日は黒のニカブだった。ニカブって目以外は全身をベールで覆うってやつですわ。これにはびっくりする。明らかに田舎のスーパーでは異様だった。
 ワシャは日本の伝統文化を愛するものである。しかし他国の伝統文化をないがしろにするものではない。それぞれのお国柄、宗教的タブーというものがあることは当然知っているし、それは許容するべきものと思っている。
 これを前提にして言いたい。
 ムスリムの女性は、ブルカ、ニカブ、ヘシャブ、チャドルなどの伝統的衣装をまとう。しかしそれは女性たち個々がどれにするのか選択したり、あるいは着ないという選択肢もあっていいとも思う。女性がブルカでいいというならそれでいいけれど、お洒落がしたいムスリム女性もいるだろう。ヘッドスカーフだけで、あとはカラフルな服装が着たい娘もいるだろう。タリバン勢力が女性たちに強制したブルカなんて目すら出せないものである。女性をモノとしてしか扱っていない。
 イスラム教にも幅があることは理解しているが、ブルカ、ニカブを強要する一部の厳密な一派には共感はできないなぁ。

 これに比べれば、大相撲の土俵問題なんて大らかなものではあ〜りませんか。絶対ダメではなくて、緊急時などの例外を認めてしまったのだから。
 このぬるさというかかたくなではないところが日本文化のいいところなんでしょうね。