情報操作

 最新の「週刊朝日」に司馬遼太郎の講演録が載っている。主にノモンハン事件について語っているのだが、そのことは置いておきたい。その中で司馬さんは「ヨーロッパやアメリカは情報に対して賢さと鋭敏さをもっているが、日本はいかにも鈍感だ」と言っている。このフレーズを読んで、「ああ日本という国は昭和14年から進歩していないのだな」と感じた。

 

 昨日の産経新聞である。英国のティム・ラフトン下院議員が、ウイグルの人権問題について声を上げ、「欧米や日本は外交的ボイコットをすべきだ」と主張したことを伝えている。アメリカもペロシ下院議長の提言を受けて「外交的ボイコットを行う可能性が高い」という記事を載せている。

 ウイグルでの支那共産党のジェノサイドについて、欧米の反応は迅速だ。しかし日本はというと、煮え切らない公明党の態度やら、親中派保守系議員の策謀で、情報が国民にまでまともに降りてこず、蚊帳の外状態が続いている。一部の心ある論者やジャーナリストが現状を伝えているが、それらの声はまだ小さく、多くの国民は左派系メディアの喧伝する支那寄りの発信を事実だと受けとめてしまう。

 テレビの報道番組、朝日、毎日、東京などに代表される反日新聞から、連日、膨大な量の情報が届けられているが、メディアリテラシーのない中高年は、「NHKや朝日新聞が言っているのだから間違いなかろう」と洗脳させられていく。

 

 司馬さんは「ノモンハン事件」を例に挙げて、軍部に情報操作された国家の悲しみを語っている。

 

 支那ウイグルで実行しているジェノサイドの情報について、日本だけがオストリッチコンプレックスに嵌り込んで、見て見ないふりをしようとしている。司馬さんは講演の最後でこう言っています。

「情報という感覚を失うとき、国が滅びるのです」