武漢ウイルスを憎む

 一昨日、かなり近しい知人が亡くなった。武漢ウイルスで・・・だ。武漢ウイルスは武漢ウイルスで、武漢ウイルスに遠慮も配慮もいらない。クソウイルスが、武漢発であることは間違いなく、インド株やイギリス株を地名で報道しているのに、武漢ウイルスだけを「従来株」と言い換えるマスコミの薄汚さ、ここに極まれり。

 

 そんな話はどうでもいい。知人のことである。彼は、先々週に咳込み始めた。「コロナじゃないんですか?」と周囲は茶化していたそうだ。咳が出て2日目に熱が出た。彼の近いところで陽性者が出た。知人はPCR検査に行ったまま入院となったという。本当に武漢肺炎になってしまった。

 それでも入院してから、パソコンを使って部下に仕事の指示を出していたというから、病室でも働き続けていた。業務メールが先週の頭に途絶えた。おそらくそのあたりから高熱が出て、呼吸が困難になったらしい。

 そして病院から家族に、会社の幹部に死亡が知らされた。ごく限られた関係者に訃報がもたらされたのは亡くなった翌日、2日前のことである。そして遺体は武漢ウイルスに冒されているから、すぐに火葬ということで、近親者は顔を見ることさえ、叶わなかった。それが昨日のことである。

 昨日の午後3時半、火葬場の広い駐車場で、病院から運ばれてくる知人の亡骸を、わずかな関係者が待っていた。そして霊柩車が到着すると、その車に向かって合唱するのみの葬送であった。

 社会的地位もあり、人的交流もあった知人は、おそらく普通に葬儀をやっていれば、それこそ何百人、いやもう一ケタ多い弔問客が押し寄せたことだろう。しかし、豪快でアクティブだった知人の生き方とはまったく反対の静かな見送りとなった。

 

 志村けんさんで起こったようなことが、身近なところでも発生してしまった。その状況は、あまりにも理不尽で、到底納得できるものではない。そんなことが日本で1万3000ケースもあるわけで、遺族たちの気持ちを考えると、武漢肺炎対策に何もしてこなかった為政者の無策は想像を絶している。

 首相しかり、厚生労働省しかり、知事しかり。ボケたことをやってんじゃねーぞ。