憲法論議

 昭和21年11月3日に公布された「日本国憲法」は翌年の今日に施行された。主権回復はさらにその5年後なので、占領下での「憲法発布」で、ここに問題があった。

 そのことは措いておくけれども、夕べのNHKニュースで「憲法についての世論調査」の結果が流れていて、それを聞いて「え?」と思ったので、ちょいと書いておく。夕べのニュースはこれね。

NHK世論調査憲法改正必要”33% “必要ない”20%》

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210502/k10013010101000.html

 まず憲法に関しての論議は重要であることは論を俟たない。とにかく一刻も早く国会での高度な内容での劇論を待ちたい。

 それにしてもNHKの世論調査である。この如何わしさはいかばかりであろうか。

NHKは、3日間、全国の18歳以上にコンピューター無作為抽出した電話番号に電話をかける方法で世論調査を行った。調査対象は2808人で、54.6%にあたる1533人から回答を得た」

 とのことで、その答えが、「憲法改正」の「必要がある」が33%、「必要がない」が20%、「どちらともいえない」が42%となっている。

 この結果を受けてNHKは、《去年の同じ時期に行った調査と比べると、「改正する必要がある」はほぼ同じ割合だったのに対し、「改正する必要はない」は4ポイント減少しました。》と伝える。

 

 ちょっと待った!

 無作為抽出で1533人、それは結構だが、その人たちは「日本国憲法」を知っているのだろうか?1533人の中に何人条文を通して読んだことがあるのだろう?

 ワシャはなにも読んでいないことを責めているのではない。一般の健全な国民は生きるために「憲法」を熟読する必要はないと思っている。一部の学者や教師・公務員、物好きや狂信的な連中は読んでいるだろうが、それ以外の人にはほとんど縁のないものと言っていい。

 人口12万人の自治体で考えてみましょうか。その中に憲法学者が何人いるでしょう?1人いれば全国では1000人の憲法学者がいることになる。公務員は何人いるか?12万都市ならば1000人もいれば多すぎるくらいだ。それに公務員だからといって憲法の条文に詳しいかというとそんなことはない。「日本国憲法の三大原理は?」と問われて、「国民主権」「基本的人権の尊重」「永久平和主義」と答えられる人が多いとも思えぬ。「9条教」のサヨクの皆さまも3%くらいはいるけれど、その中で「お題目」は唱えられても、全体の憲法を知っている左巻きが何人いることだろう。

 そしてワシャのような物好きなオッサンもちょっと多めに見積もって1000人くらいはいることにしよう。そうするとね、憲法学者1、公務員・教師2000、物好き1000、左巻き3600人として合計で6601人ということになる。率にして5.5%。

 ということはですね、無作為抽出の1533人の内85人くらいが日本国憲法の条文を読んだことがある人ということになる。

 NHK調査で1533人の中で「どちらともいえない」と答えた方が42%いたが、実はこの人たちが一番正直な回答をしているのである。そもそも読んだこともないのだから、なんともいえませんわなぁ。

 では「必要ある」「必要ない」と答えた人のほうに85人すべてが入っていたとしても、720人余りは「日本国憲法」を読んでもいないのに、そう答えていることになる。実は、それも悪いことではない。「感覚」あるいは「空気」で、その時期の社会的情勢を見ながら答える人がいてもいいだろう。

 問題はだ!それを利用して世論誘導をしようとする連中がいることである。割合として94%の回答者が「憲法条文」を読んでいないということを冒頭に記載しておくべきだ。あるいは最初の質問に「あなたは憲法全文を読んだことがありますか?」という質問を入れておけよ。善良な国民を印象操作するんじゃない!

 

 NHKのニュースに東京大学の教授が登場した。もう「東京大学」という肩書を見ただけで、この教授が「憲法改正」に否定的な意見を言うことは判ってしまった。そして一言一句、反対派の主張を述べて終わりだった。そして「立憲主義的前提」が出来ていない例として「日本学術会議」を出してきたときには、嗤ってしまいましたぞ。これが東大教授のレベルかいな。

 

憲法」とは、国家の根本、基本に関する法ということであろう。そして「憲法」は国家権力を抑制し、国民の権利・自由を守るものと解される。

 とするとね、国民の意識、国家のあり方、立ち位置、国際情勢などが動いていけば、当然のことながら、基本的な考え方、ものの価値観、対応の仕方などは、変化するのが当たり前ではないだろうか?

 同じ敗戦国のドイツでは60数回の改正を経て今に至っている。その他の国々でも同様に「憲法」はアンタッチャブルなものではなく、何度も改正・変更して生きている。

 なぜ、日本国だけが「憲法」に触ってはいけないのか?

 支那・ロシヤ・北朝鮮の軍事的圧迫や、被災地での活動、武漢ウイルス対策での活躍など、国民のために八面六臂の仕事をしている自衛隊、これが合憲ではないんですよ。おかしいですよね。

 とにかく「憲法」についての議論は喫緊の課題である。一刻を争う。立憲民主のバカが「改憲議論は不要不急」とほざいている。

《3年2カ月ぶりの参院憲法審 立民「改憲議論は不要不急」》

https://news.yahoo.co.jp/articles/9517fcc880733d156c7df9faa1c67a64e5227791

 まぁバカの話はあまり触れたくないけれど、「憲法改正」についての議論が「不要不急」のわけがなかろう。このバカも東大卒ときたもんだ。前述の東大憲法学の阿呆も含めて、こういった頭でっかちが国を壊し、国を売ることになる。充分に注意をして国民は見ていく必要があるのではないか。