花のあと

 月曜日の夜、NHKのBSプレミアムで藤沢周平原作の映画「花のあと」(2009年)がやっていた。ワシャは藤沢ファンであり、主演が北川景子、悪役が四代目市川猿之助だったので、ルービを片手に観ることにした。

 

 おもしろかった。藤沢周平の時代小説はそれほど派手な大立ち回りもなく、しかし厳しい対決はあって、ほんのりとした結末をもつ悲劇が、奥行きのある情緒のある風景や自然描写の中で展開する。司馬遼太郎歴史小説よりも映像にしやすい作品群だと思っている。

 この作品も成功していた。主人公の以登(いと/北川景子)が思いを寄せる侍の切腹に疑問を感じ、その原因をつきとめて、復習をするという物語で、きりりとした北側の剣術着姿もなかなきいいですぞ(笑)。

https://eiga.com/movie/54816/

 映画を見終って、原作も読みたくなった。午後11時過ぎである。書庫にゆき、時代小説の棚を掘り起こした。藤沢周平は単行本、文庫あわせて50冊ほど持っている。「花のあと」がなかったかなぁ・・・。

 結局、なかったが「藤沢小説を読みたい」という気持ちは残ってしまった。仕方ないので、短編を一冊引っ張り出して、寝床に持ち込んで読むことにした。長編でもよかったんだけど、そうなると寝られなくなってしまう。安全を考慮して『早春』(文春文庫)という短編とエッセイが混在する1冊を選んだ。

 

 これがよかった。短編小説はともかくも、エッセイ部分の巻頭に「遠くて近い人」という作品があって、これが司馬遼太郎に関する思い出を書いたものであった。ワシャは強烈な司馬ファンであって、司馬に関する文献、評論、エッセイなどを収集している。かつてこの本も読んでいるはずなのだが、ここに司馬評が潜んでいるとは・・・。

 藤沢さんの文章を読んでみれば、「ああ、このフレーズに記憶があるなぁ」という箇所がいくつもあって読んではいたらしい。

 藤沢さんの司馬論を読みながら、スヤスヤと眠りについたのだ・・・眼が冴えてしまったわい!おかげで午前1時ごろまで読書をしてしまった。よかったのか悪かったのか(トホホ)。

 

 午後7時にアイパッドから確認したら、今日の日記がアップされていなかった。ビックラこいてパソコンを確認したら、アップする作業の途中で、電話がかかってきて、そのまま出勤してしまった。アップされずに12時間経っていたのだった(ドボボ)。