昨日の宴席はおもしろかった。ライバル企業であるトンガリ商事の友人2人のささやかな送別会である。
大きな宴席は、なんだか面倒くさいことが多い。それに詰まらない挨拶を何人も延々と聞かされると耳が腐るしね。そこへいくと小規模な宴(うたげ)はよろしおまんなぁ。構えることなく、胸襟を開いて、差しつ差されつで、美味しい料理をいただく。いろいろなよもやま話も楽しく、時間はあっという間に過ぎていく。
送別者のた一人は、トンガリ商事の副社長で、この1月末をもって退任される。まことに機知に富んだ方で、勉強熱心であり実に博学だ。地域の歴史に精通し知的レベルが高い。だから話していておもしろいのである。
その人が会社の後輩たちから「副社長の言行録のようなものをなにか残してもらえませんか?」と頼まれたそうだ。
ううむ・・・退職後、後輩たちから見向きもされない副社長もいるというのに、「言行録の記念誌」を求められるとは、月と鼈、提灯と釣鐘、鯨と鰯、雲泥万里。
その「記念誌」の話の中で、副社長がワシャに了解を求めてきた。「ワルシャワさんが記念誌の中に登場するがいいだろうか?」ということをである。
もちろん内容を聴く前に「どうぞ」と応諾をした。内容が何であれ、その人を信用しているから、快諾するに決まっていた。
了承してから、その内容をお聴きしたのだが、いやはや鳥肌が立ちましたぞ。
十年ほど前のことである。まだ副社長が担当の課長だったころに、凸凹商事のイベントで実施するパネルディスカッションにお招きしたことがあった。別の機会に、その課長の講演を聴いたことがあって、その内容のおもしろさに感動して、「ぜひ我社でもやってください」とお願いしたことがあった。
他社の社員を自社のイベントに先駆者として登場させるということが、当時はこの業界では考えられなかったので、そのことに触れて「凸凹商事の懐に深さに感銘した」と綴っておられる。
え~っと(笑)、あれは会社の懐が深かったのではなくて、おもしろいことが好きな担当が無謀にも中央突破してしまったということで・・・。
美味しい刺身に舌鼓を打って、楽しい時間を過ごしたのだった。