いやはや、つまらない宴会に出てしまった。全体としては善い宴(うたげ)だったんですよ。ワシャは、何人かの知り合いと、楽しく酒を酌んでいた。以前にお世話になった方もいて、その方の弟さんにも今年になってご縁ができ、そのこと触れて話が盛り上がった。そこらまでは楽しかった。しかし、一人の男の存在で、場が白けてしまう。
男は、大きめの中小企業の社長である。いろいろな役職を兼務していて、ボランティア精神にも富んだ人物で、まぁ地域の名士と言っていい。それが突然、噛みついてきた。
ワシャはお世話になった方の前に座っていたので、売られた喧嘩を買わず、微笑みを絶やすことなく対応をした。
「お前の評判は悪いぞ」
「お前は変人だ」
「前々から変わり者だと思っていたがホントにそうだな」
あまりに執拗に攻撃をするので、お世話になった方の顔も曇る。
「また素面の時にお伺いしますよ」
と、ワシャは話題を変えようとするのだが
「誰がお前なんかと話をするか!」
その人以外の宴席メンバーとは和気藹々と時間を過ごしたが、その人には嫌われた。というか、その人が参画している団体に嫌われている。
面倒くせえな。