GSOMIA

 もうこのニュースばかりで辟易としている。韓国が「GSOMIA」(軍事情報包括保護協定)の破棄決定したのだそうな。朝日新聞なんかも1面で《アジアの安全保障環境にも影を落とし、自らの首すら絞めかねない。両国は大局的視点に立ち、冷静に向き合うべきだ。》と書く。

 まず《アジアの安全保障環境にも影を落とし、》については、確かにアメリカを核とした東アジアの自由主義陣営側にほころびが生じたことは間違いないだろう。しかし、それは文在寅が大統領になって以来、ずっと影を落としていることなのだ。トランプ大統領が文大統領を冷遇するのも、安倍首相が会談を持たないのも、文大統領の北朝鮮擦り寄り思想が、三国の同盟にとって極めて危ないからである。

《自らの首すら絞めかねない。》って、防衛の専門家の話を聴けば、自分の首を絞めているのは韓国であり、喜んでいるのは北朝鮮だということ。日本は、レーダー照射をしてくるような敵対国家に秘密情報を流さずにすむので、むしろ形としてはいいことなのである。

 ただし、日本と韓国と個別に安保条約を締結するアメリカにとっては、事務的な煩雑さが増すことになり、「めんどくせえな」とい事態なのだが、その程度のことである。むしろ恐いのは「めんどくせえな」が発展して「だったら韓国と付き合いをやめるわ」となることだろう。そうなると東アジアの情勢は一気に色合いを紅く変えていく。

《両国は大局的視点に立ち、冷静に向き合うべきだ。》

 そのとおり。日本は大局的視点に立って東アジアを考えているが、韓国はおもちゃを買ってもらえなかった子供が、手元にある古いおもちゃを手当たり次第に親に投げつけている・・・そんな態であろう。

 そんな中、中央日報(韓国)が冷静な社説を書いている。

《【社説】何のためのGSOMIA破棄なのか懸念される=韓国》

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190823-00000001-cnippou-kr

「このような時にGSOMIAを破棄してしまえば、日本はもちろん米国が韓国を信頼できる同盟と思うだろうか」

 社説が言うとおり、国と国との関係は、まず信頼があってこそなのである。「戦時売春婦の嘘」、「戦時応募工の嘘」、「自衛艦旗への侮辱」、こともあろうに「自衛隊偵察機へのレーダー照射」など、これなんかはほとんど敵対国家への仕打ちと考えていいだろう。反抗期のクソガキが、長年、世話になってきた両親に刃物をかざしいるように。他所の子ならすぐに警察に通報するものを、36年も一緒に住んできた家族だと思うから、唯々諾々と言うことをきき、手荒な真似もしなかったのだが、刃物まで持ち出してきては、ここは考えどころだと思いませんか。

「今でも廃棄決定を見直す、それとも日本と米国の信頼を失わない画期的な方法を講じる必要がある」

 と、中央日報の社説は結んでいる。信頼を損ねたのは自分(韓国)であるということを自覚し、日本と米国の信頼を失わないためになにをすべきか、ここは、韓国国民、考えどころだと思う。日本国民は、冷静にことの推移を眺めていればいい。韓国が自らの選択で没落するのもありだし、北朝鮮に併呑されることも韓国人が選ぶなら止めることは困難だ。

 ただし、核を持ったままの北朝鮮と韓国が一緒になるようなことがあるとすると、日本は真剣に核武装の議論を始めるべきだと思う。