給食の話

 昨日、ちょっとした視察があって参加した。その一環で昼食を地元の給食調理場で食べた。255円を支払って、小学生と同じものを提供してもらった。

 過去にも何度か学校給食を試食する機会があったのだが、どうもワシャの口が強い味付けに慣れていて、子供向けの給食にインパクトがなさ過ぎて美味しいと思ったことがなかった。だってさ、ワシャは、山葵、生姜、胡椒、唐辛子、山椒、タバスコ、芥子などが好物だもの。味付けの濃いものが好きというわけではないんですよ。うどんでも薄味でいいんだ。でも、そこに唐辛子は入れたいし、鰻の蒲焼でも、追加のたれなどはかけずに、山椒をごっそりとふりかけていただきたい。

 ところが昨日の給食は美味しかった。メニューはチーズいりオムレツ、枝豆とキュウリのサラダ、ベーコンやジャガイモの入った具だくさんのスープ、スライスパン2枚、ジャム、牛乳。なかなか豪華でしょ。それにね、コーンクリーミードレッシングがかけ放題で、これがワシャにぴったりと決まった。牛乳は遠慮したけどね(笑)。

 まず、チーズ入りオムレツをパンにはさんで、これにドレッシングをドバドバとかける。いわゆるサンドイッチですな。これが美味。もう一枚のパンは半分に割いて、一切れのほうには枝豆キュウリサラダをはさんで、やはりトレーに取り置いたドレッシングに浸していただく。もう半切れのパンはスープの具を食べつつ食すのだった。ここに唐辛子があったなら、このスープの美味しさも倍加されること請け合いで、次の機会には必ず持参しようと思うのだった。

 

 給食調理場の方に伺った話だが、毎回の給食で食物残渣が8%ほど出るという。8%というのが多いのかどうなのかはピンとこなかったが、ワシャが小学生、中学生だったころは、時代自体がまだ飽食の時代ではなく、飢えた時代というと大袈裟かもしれないけれど、家に冷蔵庫はなかったし、インスタントラーメンだって出始めたばかりだった。家の中に食うものがなかった。せいぜい、蠅帳の中に羊羹の切れ端か、夕べの芋の煮っ転がしが入っている程度。

 だから子供たちの楽しみは必然的に給食だった。だって腹いっぱいに食えるんだもの。ただね、小学校の低学年の頃の脱脂粉乳はいただけまへんで。これがクソ不味い。この記憶があるので、未だに牛乳が苦手になってしまった。

 牛乳の話はどうでもいい。美味しい給食の話だった。

 ワシャが中学校に入ると、もう男子生徒は飢えた獣だったね。クラブ活動は早朝から始まって、それこそ中坊だから早弁などという芸当もできない。だからひたすら午前中の授業をクウクウ鳴る腹を押さえて耐えるのだった。

 そして、給食の時間がくる。もうヤンチャな連中は率先して給食の配膳をしたものだ。主食のスライスパンは耳が出るのだけれど、この耳の権利はヤンチャグループが持っている。そして文科系のクラブのお嬢さんたちは食が細いので、彼女達が食べない分は、みんなヤンチャグループのものである。副食も食缶をヤンチャのパシリが抱えて、それぞれに配膳していく。残りをしっかりと確保するために、適量を食器に入れていくのだ。考えてみればあのパシリ君は、年がら年中給食当番をやっていたようなものだったなぁ。

 で、あまった残渣はヤンチャグループの腹に入るのだった。それはどのクラスでもやっていたようで、当時、8%の残渣など出るわけがなかった。いい時代だったなぁ。