連休に考えた

 10連休とやらが始まった。今は亡きコラムニストの勝谷誠彦さんは、なにしろ連休が嫌いで、いつもメルマガでゴールデンウィークの前になると批判していたものだ。

 その影響かもしれないが、ワシャも連休が好きではない。3連休ぐらいなら、楽しいのだけれど7連休、8連休、あまつさえ10連休ともなると何をしていいのか不安になってくるわい。本ばかり読んでいれば「ワシャは本の虫か?」と思ってしまうし、映画を立て続けに観にいけば「ワシャは淀川長治か?」と誤解してしまう。さよならさよなら。

 しかし、渋滞の高速道路を使ってとか、100%を超える新幹線や電車を利用しての遠出も勘弁してもらいたい。飛行機はそもそも乗りたくないから乗らないしね。

 だからもっぱらゴールデンウィークには掃除をすることにしている。今年は、特に諸々の残務処理を含めてやることがあるので、とりあえず退屈はしない。

 さて、その10連休、ワシャのことは措いて一般的に考えてみよう。大企業、官庁などは10連休が保障されている。自治体では、出先の機関で出勤して窓口を開けているところもあるので、一概には言えないが、上にいけばいくほど10連休はガッツリと取ることができる。

 でもね、取れないところもたくさんある。大企業の機械をメンテナンスする下請け会社の人たちは、この連休をフル回転して働いているし、飲食店やスーパー、コンビニなどは、10連休などまったくの蚊帳の外だ。チェーン店の飲食店では、アルバイトすら確保できないから、営業本部長が店頭に立って働いていた。彼にも家族がいるだろうに。

 図書館や博物館などでもそうだ。職員は本庁の部署が10連休を謳歌している間、出先はシフトを組んで少数の人間でやりくりをしている。これはかなり苦しい。しかし、本庁から応援部隊が出たという話を聞いたことがないぞ。

 つまり、10連休といっても国民に等しく与えられるわけではなく、ごく一部の人間だけがそれを享受しているということを忘れては行けない。

 こんな均衡の取れていない長期の国民の休日(と名乗ることさえ烏滸がましい)は、必要ないと思う。そんなことをするなら「ゴールデン休暇」とかにして、年間10日間は、有給休暇とは別に国がそれぞれに与えればいい。それぞれが都合のいい時に、職場との折り合いをつけて休んでいけば、道も混まないし、観光地にもどっと人があふれて宿泊施設に支障をきたすこともなくなるでしょ。まんべんなくお客がくれば、観光地の人だって「国民休暇」を平等に取ることができるわけだしね。

 なにしろ、民族の大移動と言われているこのくだらない連続休暇をそろそろ考え直したほうがいい。