季節感

 どうしても牡蠣が食いたくなって、遠くまで買い出しに行ってきた。おかげで蒸牡蠣の大ぶりなものが手に入ったのじゃ。そんなことはどうでもいいのだけれど、問題はその市場である音が耳についたことである。

 クリスマスソングじゃああああ!

 おいおい、11月になったばかりですぜ。いくらハロウィンが終わったからといって、すぐさまジングルベルでもねーだろ(怒)。日本は季節感を大切にする国柄である。1年を24節季72候の季節に分けることのできる国民性を持っている。
 今日は霜降(そうこう)の第三候。あと3日で立冬になる。その後、小雪、大雪を経て冬至を迎えて、ようやくクリスマスでしょ。
 なんだか、経済とか消費とか金にまつわることで、風情ある季節感を奪われつつあるようで、ちょいと寂しい。

 しかし、11月初旬からのクリスマス商戦は、ワシャの行ったスーパーばかりのことではなかった。東京デゼニーランド(出銭ランド)も11月8日から12月25日までクリスマスになるようだ。
https://www.tokyodisneyresort.jp/treasure/fantasy/christmas2018/tdl/index.html
 毛唐の本山がクリスマス仕様にするのだから、田舎の市場がクリソンを流すのも仕方がないか・・・。
 でもね、ユニバーサルスタジオジャパンはちょっと趣向が違う。
https://www.usj.co.jp/
 こちらは、クリスマスのクの字も打ち出さず、「最大の冬の魔法、ついに解禁」「ウインター・イン・ザ・ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」ってなんだか解らないけれど、「ハリー・ポッター」をメインに打ち出してくるらしい。期間は11月9日から2月28日まで。これはクリスマスではなく、冬の期間の長期イベントのかたちをとるようだ。こちらのほうが期間的には長いのだけれど、季節感ということであるなら、冬全体を捉えているので許容範囲と言っていい。
 なにしろクリスマス商戦を11月の頭から始めるということだけは季節感を壊すので止めた方がいい。

 それはそれとして、ワシャは季節感満載の蒸牡蠣を堪能していた。テレビをひねると、BSフジで「私をスキーに連れてって」が放送されていた。劇中に流れていたのはユーミンの「恋人はサンタクロース」である。
ちょうどあの映画の頃に、ワシャのスキー天国はピークを迎えていて、冬季に40日超を雪山に入っていた。雪が降ってから、休みという休み、有給休暇も取りまくって、ゲレンデを滑走していたものだ。電飾を点けたり、連凧を揚げたり、ゲレンデにジャンプ台を造って飛んだり、回ったり。職場の仲間とバスを仕立て、女子社員を動員していたので、ゲレンデは黄色い歓声に包まれて楽しかったなぁ。

 おっと、季節感がどうのこうのと、偉そうなことをほざいていたオッサンが、いくら懐かしいからといって、11月初旬に「恋人はサンタクロース」で盛り上っていては、ダメだった(反省)。