エモーショナル

 経団連の会長が、見出しの横文字を連発した。

《「原発反対派と議論しても…」》

https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20190311-00000070-ann-bus_all

 経団連会長の中西宏明氏は「エモーショナル(感情的)な反対運動について議論してもしょうがない」と、原発問題について切り捨てた。

 基本的にワシャは日本のエネルギー政策に「原子力」は必要だと思っている。なにしろ日本は資源のない国だから、国民は、自国で賄うエネルギーを確保するということが国家戦略のひとつであることを認識しなければならない。

 それでも、福島第1原発の状況を見れば、原子力発電所の不始末で、国土の中に使えない場所を作ってしまうことも確かで、実際にエモーショナルにならなくても、8年という歳月を費やしても、水の処理すらままならず、デブリにいたってはまったく手つかずの状況ではないか。

 これがね、事故発生後、1年足らずで「水の処理も完璧に終わりました。デブリも撤去し原発周辺は再利用が可能です」という話なら経団連会長の言うのももっともだと思うけれど、原発対応でやっているのは、対処療法ばかりで根治されてないやん。

「エモーショナルな人とは議論しない」というなら、まず福島の大地を正常に使えるようにしてから言え。

 まずは小泉元首相でもいいから、議論してみればいいじゃん。そして相手が感情的にくるなら、あなたは理性的に「原子力エネルギーは遠い将来も含めて必要だという議論を深めるべき」ということを説けばいい。それを全国民に見せて、どちらの言っていることが説得力があるのかを判断してもらえばいいじゃないか。

 経団連の会長ともあろう大人物が、最初から議論を逃げてはいけない。