命がけで日本を守る自衛隊とそれにクレームをつけるクズ

 昨日、午前中、行脚の予定だったが、雨が降って中止する。午後から晴れたので、陸上自衛隊豊川駐屯地に出かける。幹部に知人がいて、防衛に関していろいろなお話を伺う。ううむ、根本的に予算が足りないことがよくわかる。だから、自衛官の定員は大きく割り込んでいるし、装備も人民解放軍に追いつかれ追い越されつつあるのだ。「軍靴の音が聴こえる」耳鳴り軍団の方々は日本をチベットウイグルのようにしたいのか。

 幹部の話をひとつふたつ。
 ある被災地に行って、三日三晩不眠不休の作業を続けた。ようやく一段落して、被災地内にある学校の体育館で休息が取れることになった。行ってみると、体育館の板張りにマットが敷いてある。そしてその横を見ればダンボールに入ったマクドナルドのハンバーガーが積んであった。
 自衛隊員は大喜びでハンバーガーを手に取り、敷かれやわらかいマットの上に車座になった。「さあ食うぞ」と思った途端、行政の担当者が血相を変えて飛んできた。
「ああ、そのハンバーガーは被災者の分なので、自衛隊の皆さんは食べないでください」
 まあ、そうだろうな、と隊員たちは、苦笑しながらハンバーガーをダンボールに戻したのだった。むろん、マットも被災者のためのもので、自衛隊員の休めるスペースは板張りのところだった。
 でもね、不平不満を言う隊員はいない。彼らは冷めた缶詰の携行食(40分程温めると美味しいのだが、たいていの場合、そんなことはできない)を噛みしめながら板の間で浅い眠りにつくのである。

 水害の時の映像を思い出してほしい。ゴムボートに被災者を乗せて、迷彩服にヘルメットの自衛隊員が腰や胸まで水に浸かって避難させているニュース、よく見るでしょ。自衛隊員は黙々とやってはいるが、大変な作業なのだそうな。なにしろああいった際の水っていうのは汚水である。浄化槽の汚物も側溝の汚水もみんな一緒くたになって溜まっている。隊員の迷彩服は防水でもなんでもない。彼らは下着や靴の中までビショビショになりながら被災者の救助をしているのだ。
 作業を終えて、体中が痒くてしかたがないので、あわてて濡れた服を脱いでみれば体中が真っ赤に炎症を起こしていることもしばしばあるという。それでも彼らは人命救助を使命と考えて被災地で力を尽くしている。頭が下がる。
 それを埼玉だかどこかのプロ市民集団は、なにかのイベントで子供たちに迷彩服を着せて記念写真を撮ろうとしたら「軍靴の音が聴こえる」として中止に追い込んでしまった。テメーらは被災地で何をした?ただ外野からクレームを付けているだけじゃないか。

 午後5時過ぎ、もうあたりは真っ暗だが、本部玄関前では歩哨の若い自衛官が微動だにせず直立している。ワシャらが通りかかると美しい敬礼で送ってくれた。