ペンス副大統領演説

 アメリカのペンス副大統領の「対中国政策」についての演説である。
https://www.newshonyaku.com/usa/20181009
 このボリュームがすごい。日本語訳で1万2000字、これを音読すれば1分270文字だから45分は掛かろうかというシロモノ。
 でもね、その内容は日本人にとっても極めて重要なことが書いてあるので、ぜひ読んでくだされ。
 以下はどこかの記事から引っ張ってきたんだけれど、だいたいこんなことが言っているという要約です。飲用先は一日経ったら忘れてしもうた。ごめんちゃい。要約といってもけっこう長いので面倒くさい人は、〇をすっ飛ばして、◎◎から読んでね。
〇中国は政治、経済、軍事的手段、プロパガンダを通じて米国に影響力を行使している。
〇米国は中国に自由なアクセスを与え、世界貿易機関(WTO)に招き入れた。経済だけでなく政治的にも、中国が自由を尊重するようになると期待したからだ。だが、期待は裏切られた。
〇中国政府はあらゆる手段を使って米国の知的財産を手に入れるよう指示している。安全保障に関わる機関が「窃盗」の黒幕だ。
習近平国家主席ホワイトハウスで「南シナ海を軍事化する意図はない」と言った。だが、実際には人工島に対艦、対空ミサイルなどを配備している。
〇最近も中国海軍の艦艇が米海軍のイージス艦に異常接近した。
〇中国は国民を監視し、反政府的人物は外を一歩、歩くのも難しい。
〇中国最大の「闇(underground)教会」は閉鎖され、キリスト教徒や仏教徒イスラム教徒が迫害されている。
〇中国はアジア、アフリカ、欧州、南米で借金漬け外交を展開している。負債が払えなくなったスリランカには、港を引き渡すよう圧力をかけた。中国の軍港になるだろう。
〇米国は台湾の民主主義を支持する。
〇中国は米国の企業や映画会社、大学、シンクタンク、学者、ジャーナリスト、地方や連邦政府当局者に圧力をかけたり、見返りの報酬を与えている。
〇最近も、ある大企業を「米国の通商政策を批判しなければ、事業の許可を与えない」と脅した。
〇米地方紙の「デモイン・レジスター」に中国政府のPR記事を挿入し、米国の通商政策を批判した。だが、米国民は騙されない。
〇米国のジョイントベンチャーには、社内に「共産党組織」を設置するよう要求した。
〇ハリウッドには中国を好意的に描くよう、日常的に要求している。
〇中国は英語放送を通じて米国民に影響を与え、学会や大学にも資金提供を通じて圧力をかけている。メリーランド大学で学んだ中国人学生は卒業式で「自由な言論の新鮮さ」と語っただけで、共産党機関紙が彼女を非難し、中国の家族も嫌がらせを受けた。
〇ハドソン研究所も中国政府が好まない講演者を招いただけでサイバー攻撃された。
〇我々のメッセージは「大統領は引き下がらない。米国民は惑わされない」だ。
〇トランプ政権は米国の利益と雇用、安全保障を守るために断固として行動する。

◎◎ここからはいつものワシャの駄文である。
 戦争というものは経済の軋轢から始まる。そのことに関してはすでに米支(中)は関税合戦を始めているから、もう開戦していると言っていい。それにペンス副大統領の演説を聴けば、サイバー上での攻撃や、スパイによる内政干渉は実際に行われており、それはロシヤの比ではないと言い切っている。米支のコールドウォーは現実なのだ。
 そして忘れてはいけないのが、20世紀の冷戦の最前線の鉄のカーテンはヨーロッパ中部に下りていたが、21世紀の冷戦の重いカーテンは日本海、東支那海、南支那海に垂れているということである。日本人はもっとも危険な場所にいて、コールドウォーがホットウォーに進んでしまえば、即座に戦場となる地勢的な運命を背負っている。それを日本人は忘れてはいないか。
 20世紀冷戦の最前線のドイツでは、東西でいろいろな諜報活動や破壊工作が行われていた。それでも西ドイツは軍隊を持ち、諜報部員を揃えて、東からのスパイに対応をしていた。
 それが21世紀冷戦では、とんでもなくお人よしの脳天気な国が最前線にいるから困ったものだ。「スパイ天国」と言われている列島国には諜報機関がないばかりか、「スパイ活動防止法」すら整備されていない。こんなとんでもなくマヌケな国が最前線を担わなくてはいけないとは、アメリカも頭が痛いですな。
 
 支那帝国は、共産主義を党是とする集団に牛耳られている。集団といったって、党員だけで7000万人もいる大集団だ。彼らは、民主主義を是としない。習金平を頂点とした共産党王朝で十数億の民から搾取し、周辺国家を侵略しているのである。
 共産主義は、宗教を認めない。このためにチベットでは仏教徒が迫害を受けている。中原一博チベット焼身抗議』(集広舎)には143人の抗議者の死が綴られている。帯にこうある。「今日もまた、愛する人々が燃えていく」「自らの身体を〈灯明〉と化し、中国政府の圧政に抗議し続けるチベット人たち」。
 これは他所の話ではない。すでにウイグルでは宗教改宗に名を借りた民族浄化が始まっている。これはナチスの犯罪に匹敵するほどの人道に対する罪と言っていい。ある意味でナチスドイツより危険な体制と言っても言い過ぎではない。このまま支那共産党の増殖を許せば、我々日本人の子供、孫の運命はチベットウイグルの轍を踏むことは間違いない。
 またワルシャワが騒いでいる……ということではないのだ。オーストリッチ・コンプレックスに陥って穴に首を突っ込んでいる場合ではない。

 そういったことからも、ペンス副大統領の演説を再度噛みしめてみよう。

※海洋アジア共同体構想
http://d.hatena.ne.jp/warusyawa/20160910/