夕べ、読書会。課題図書は、勢古浩爾『定年バカ』(SB新書)。今回は読みやすかったようで、いつも無口なメンバーも積極的に議論に加わった。結論としては、
《定年後の生きがい探しや「地域デビュー」もいいが、まずは身を修めるように努めてみようということも必要でなのではないか。それが人間の成長である。人に身を修めなさいといっても、どうにもならない。自分で考えて自分ではじめるしかない。川北氏(別の定年本の著者)がいうように、これからは「ありがとう」でいこう、ということでもいいのではないか。》
《わたしたちは「自分自身の意思」によって好きにすればいいし、好きにするしかないのである。あとはいつになるのか知らないが、そのまま最後まで人生を全うできればいい。できたら美しい姿のままで。「人生」に振り向いて、深々と一礼をして。》
「ありがとうと深々と一礼をすること」、なににではなく、己の人生も含めてすべてのものに対して。勢古さんはそう言っている。
ワシャは、勢古さんのちょっと斜に構えた天邪鬼な生き方、考え方が好きだ。2002年に出版された『まれに見るバカ』(洋泉社)以降、勢古さんの本はことごとく読み、その天邪鬼さを吸収してきた。その天邪鬼さで特定の上司には嫌われましたがね(自嘲)。ワシャの思考の何パーセントかがこの人の哲学で占められていることは間違いない。それがよかったのか悪かったのかは棺桶の蓋が閉じられるときに初めてわかるだろう。
先日、友だちに言われた。
「ワルシャワさんは〇〇についてそこそこの人ですね」
〇〇に当てはまる言葉はそれぞれ考えてくだされ。
そう言われてね、「そこそこって言うのは大したことはないということじゃないのかにゃー!」と反論したのだった。友だちは、褒めたつもりだった。もちろんワシャもそれは感じた。でも、天邪鬼だし、混ぜっ返したほうが会話は楽しいからね。
例えばだ。「ワルシャワさんの足の速さはそこそこだ」と言えば、そこそこ走れるが大したことはない、ということですがな。
「ワルシャワさんの顔はそこそこだ」って言われれば、「顔は普通だ」って言われているようなものではないか。
「ワルシャワさんはそこそこ格好いい」
そこそこなんですね(笑)。
拡散希望が出ていたので。これは見過ごせなかったので。
https://togetter.com/li/1240372
日比谷線や埼京線の車内広告に「アベ政治を許さない」と書かれたシールが貼り付けられていたんだとさ。これを見つけた人がツイッターで拡散希望していたので、ワシャはブログでお知らせします。見つけた人は「アベ政治を許さないと言う前に、勝手にステッカーを貼る行為が許せません!」と言っている。まさにその通りだ。この「勝手にステッカーを貼る行為」は、「シール貼っているだけじゃん。目くじら立てるほどのことはない」と見過ごしてはいけない。これは「テロ」につながっていく危険な兆候である。自分たちの主張を知らしめるためには手段を選ばない、公共のルールを曲げても理想を実現するためにはやむを得ない。そういう身勝手なものが「反安倍」を掲げる連中の中に存在していることだけは知っておいたほうがいい。
ある中小企業の話。ほぼ会社の実験を握っている副社長は、なにしろ事前に聞いていない話にはぜったいに決裁をしない、認めない、という人物。だから自分の考えを持って行動する部下を嫌うことはなはだしい。何年か前のことである。ある課長が副社長に報告する前に、はやった部下がフライングをして事業が公表されてしまった。これに副社長、激怒した。矛先は部下を守ろうとした課長に向けられて、高射砲の口撃で射殺されたんだとさ(笑)。だから、部下たちも恐れおののき、案件が動き出す前に必ず副社長にお伺いを立てることになった。
その副社長が部下の部長や課長に最近こう言ったらしい。
「おい、お前ら、もう少し自分たちで判断してこいよ。なんでもかんでも、オレに判断を求めるな」
プッ!笑える。お前がそうさせたんだろう。部下が判断して、案件を持って行ったって、お前の気分で「こんな提案ではダメだ!」と突き返される。何度持って行ってもおもしろそうなものは「ダメ」で、こてこてに弄り回して冷めて固まったピザのようにしないと「G O」とはならない。もうそうなると部下はおもしろそうなアイディアなど出さない。「では、最終的に副社長が判断してください」という話になるのは当たり前のことであろう。
社内では「オレ以上に頭の切れる人間はいない」と豪語しているようだが、ホントに普段から部下にキレまくっているそうな。すでに何人もの部下が高射砲の餌食になっていると聞く。
石川県で過疎の村を救ったスーパー公務員がいた。彼は「会議はやらない」「企画書は作らない」「上司には事後報告」を徹底的に実行し、村を生き返らせた。詳細は高野誠鮮(じょうせん)『ローマ法王に米を食べさせた男』(講談社)を読んでね。高射砲装備の上司の下なら、高野さんのプロジェクトは絶対に失敗していた。