クリスマス

 ワシャは曹洞宗門徒である。だから「830P」の送りにもお経を流していた。でもね、世の中はクリスマスなので、一応それっぽい感覚を味わうために朝から聖書を開いているのじゃ。呉智英さんの聖書講座を受けたので日本聖書協会発行の分厚い『聖書』が手元にある。その頃に聖書関連の書籍を何冊か求めたので、キリスト教に関わる本は二棚くらいはあって、その中から解説書ということで創元社の『イエスの生涯』を選んだ。この本の目次を見ると「イエスの誕生」という項があることがわかり、そこを読めば、キリストの生誕については、聖書の2カ所に書かれていることがわかる。ううむ、キリストの生誕自体は、とんでもないくらいに有名なのだが、その記載は僅かなんですね。「マタイによる福音書」の冒頭にちょこっと出てくるのと、「ルカの福音書」のこれも冒頭にわずかに書かれているのみ。それがまったくニュアンスが違うのでこれは混乱するなぁ。「受胎告知」というのは多くの画家の手で絵になっている題材なのだが、「マタイ伝」では天使から告知を受けたのは旦那のヨセフだった。しかし「ルカ伝」ではマリアのもとに天使が現われて祝福される。いったいどっちやねんと朝から悩むのであった。
 
 いかんいかん、朝から少し読み込み過ぎた。あっという間に出勤時間になってしもうたわい。矛盾だらけのキリストの生誕ではあるが「メリークリスマス」ということで、禅者は仕事に出かけるのであった。