ルイセンコ学説

 なんやねん、それは。
格物致知」、「子不語」、「形質人類学」、「981‐1184」、「青いパンチパーマ」、「喫茶リビドー」……次から次へとなんだか訳の解らない用語が飛び交い、レベルの高い講義は進んでいく。
 講師は呉智英小林よしのりをして「生ける百科事典」と言わしめた男である。おそらく知識人としては日本でもトップクラスだろう。
 対談相手は名古屋の知性大竹敏之。彼の著書『コンクリート魂』は肉厚な研究書と言っていい。「でも2000円」とご本人は自虐ネタをかましておられたけどね。
 いやー、呉さんの知的速射砲の波状攻撃にはなかなか凡夫ワルシャワには手強かったですぞ。

 難しい話に入る前に、とても解り易い話を。
 そもそも講演会というか講義と言ってもいいのかも知れないが、本来のイベント名は「呉智英『真実の名古屋論』出版記念トークイベント」である。が、その内容はトークなどというレベルを超越していたことは前述した。
 このテーマのとおり「名古屋論」について、呉さんや大竹さんが持論を展開して、ある時には議論を闘わせ、ある時は会場からの質問に答えたりする内容なのだ。
 
 大竹さんが河村名古屋市長にインタビューをした話が出た。
https://news.yahoo.co.jp/byline/otaketoshiyuki/20171127-00078579/
 ここで、大竹さんは「市長が事あるごとに“魅力がにゃー街ナンバー1だわ!”と吹聴しているから。市長が一番間違ったイメージを広めちゃってるじゃないか、と私なんかは思うわけです」とかなり本質をついた質問を突き付けた。
 これに対して河村ミャーミャーさんはまともな回答ができない。大竹さんはさらに質問をたたみかけ「市長は、春の市長選の際の新聞のアンケートでも『名古屋に来た他県の友人を連れて行きたい場所は?』との問いに『どっこもないで困っとる』と答えている。市長自らその答えはないんじゃないですか!?」と尋ねた。
 これに対してもまともには答えない。「ホントのこと言うのがええんでないかなぁ……」以下ぼやけた的外れなことを言ってお茶を濁している。
 詳細は上記のURLをご覧いただきたいが、要するに河村ミャーミャーさんは名古屋市長であるにも関わらず、「名古屋には市外の友達を連れて行きたい場所がない」と言い切っている。
 ところが呉さんや大竹さんは、定期的に名古屋に友人知人を招いて、名古屋の見どころを頻繁にあちこち案内しておられる。呉さんのほうの名古屋観光には、ワシャは何度も参加をさせてもらったが、ごく狭い範囲の中だけでも一日はあっという間に過ぎてしまう。それほど名古屋にはネタが豊富だ。
 名古屋市の致命傷は、名古屋のよさを理解できない市長の存在にある。トップセールスマンが自分の売る商品を貶しているようではその商品は売れるわけがない。
 呉さんは「河村はいいやつだが」と前置きをしつつ「知性がないから名古屋のよさが見えない」と厳しい。

 今朝の朝日新聞名古屋城天守木造化の記事があった。相変わらずのエレベーターを設置するかどうかの愚かな議論が続いている。そのあたりの話でもイベントでは大いに盛り上がったのだが、ううむ、内容がありすぎて濃すぎて書ききれない。ルイセンコ学説はおろか、名古屋の観光の結びにすらたどり着けなかった。本論に入ってからも呉さんの暴走は「つづく」のである。

 今日は忙しい。スケジュール的にもハードなのだが、いろいろな仕掛けが顕在化してくる楽しい日でもある。そのあたりもまたご報告しますね。