スーパーパパ

 昨日、午後から職場に顔を出す。その帰りに晩酌用のビールがないことを思い出して、近くのスーパーに立ち寄る。そこでの出来事だ。ワシャが入り口でカゴを手にして、野菜コーナーをすっ飛ばして、肴のある魚介や肉のコーナーに向かっている時のこと。以下はシナリオ風に。

○スーパーの入口
 中年のカップルが入ってくる。男がカートを取り、そこに女がカゴを入れる。チームワークがいい。

○野菜コーナー
 男の押すカートのカゴに、女がキャベツや玉ねぎを入れる。

○鮮魚コーナー
 男がカートを押し、その脇を女が周辺を物色しながら歩く。
 その前を若い女がカートを押してゆく。
 そのカートには向い合せに男の子(1歳くらい)が乗っている。若い女、左手のゴンドラの中の切り身のパッケージを手に取ったりしている。その横を通過するカートを押す男、少し遅れて女。

※このタイミングでワシャが荷台のカート、3人の後ろにいたわけですね。

○鮮魚コーナー
 カートに乗った男の子が男の顔をじっと見ている。
男の子「パパー!」
 男、ギョッとして男の子を見る。
男の子、男に両手を差し伸べて、抱っこを求めている。
 男、困惑の表情で若い女を見る。
 若い女、口に手を当てて驚き、そして笑い出す。そして男の横にいた女に、
若い女「すみません」
女「(笑ながら)いいえぇ」
 女、男に追いつきながら、
女「よかったわね。パパに間違えられて」
男「オレの見た目が若いからパパと間違えたんだろう」
 二人は入ってきた時よりも機嫌良さそうに惣菜コーナーの方向に歩いて行った。

 というようなシーンに出くわしたのだった。ワシャはその夫婦ものの背後1mくらいにいたのだが、最後のセリフを聞いて、思わず「プッ」と吹き出した。その男性、ワシャと同年配のような感じだが、頭髪が寂しく、センスもオジサンだったので、「パパじゃないだろう」と思ったのである。どうみてもジイチャンだよね。