求心力というか、追い風がなくなってきたとたん、これだ。政治家というものはそもそも日和見なものだとは思うが、この二転三転は酷過ぎる。おまえらの矜持はどこにあるのかと言いたい。
《衆院選 希望の民進系造反「9条改悪反対」「小池氏ひどい」》
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171017-00000056-san-pol
《衆院選を前に民進党から希望の党に移籍した前職の中に、希望の党の公約と大きく異なる主張を掲げる候補が続々と出始めた。希望の党が容認する「憲法9条改正」などの“踏み絵”を踏んだはずなのに公然と異を唱え、小池百合子代表を批判する声まで上がる。希望の党の失速で焦りを募らせているようだ。》
ワシャは立憲民主党とは考え方が相容れないけれども、それでも当初から希望の党へは「行きません」と言い切った候補者は格好いいと思うし、希望の党の幹部の「股はくぐらない」と言った無所属で戦っている候補者も筋が通っていると思う。
これらの議員とは違い、二転三転と発言をひるがえす候補者諸氏、最初は、己の信条を捨ててでも「小池人気」にあやかろうとしたんじゃないのか。男子が(女子でもいいけど)一旦、方向を決めたなら、断固として行うべし。その結果が敗北に終わろうとも後悔せず、己の信ずるところを邁進すべし。
それが出来ていない、尻の座らぬ、けつの穴の小さい、覚悟のない候補者のいかに多いことか。
こういった者を炙りだしたことからも、今回の総選挙は意義あるものであった。
《石原慎太郎元都知事「まるで関ヶ原の合戦」も「枝野は本物の男」》
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171016-00000107-sph-soci
枝野さんの評価が各所で高まっている。石原さんもそうだが漫画家の小林よしのりさんも絶賛している。不肖ワルシャワも10月2日の段階で《枝野氏や辻元清美氏はけっこうさばさばしていて「希望の党には行きません!」と一際大きな声で言い切っていた。それはそれで潔い。》と言っている。
思想信条ではないんだ(少しあるけど)。政治家は筋を通すかどうか、己の信念を貫けるかどうか、颯爽と立っているかどうか、それを有権者は見ている。
なにしろフラフラして一貫性のない、テメーが代議士になれるかどうかが最大の眼目である不甲斐ない連中が多すぎる。石原さんは「卑しい人格が透けて見える」奴らを関ヶ原の合戦で右往左往する諸大名に例えている。大は小早川秀秋、中堅では赤座直保 小川祐忠 朽木元綱 脇坂安治など、己の意志もなくただ状況に流された裏切り者の大名は戦後、みな悲惨な運命に見舞われる。
ただし寝返り組でも本領安堵されその後長く徳川体制の中で生き残っている武将もいるし、後世に高い評価を受けた武将もいる。
例えば、毛利家のブレーンであった吉川広家である。広家は大毛利の版図の中で11万石を治める大名であった。それが西軍に与するという毛利家の方針に従わず、東軍に内通した。このため毛利家は関ヶ原の合戦そのものに間に合わず、西軍は敗ける。この主たる要因をつくった主犯が広家とも言える。しかし広家の寝返りはそんじょそこいらの寝返りとモノが違った。
西軍に与した本家の毛利家はお取り潰しである。吉川家は寝返りが戦勝に大きく貢献しているので、毛利家に代わって大大名に出世する……のを断った。自分の加増分で毛利家を存続させてほしいと願い出たのである。さすが元就の孫!自分の出世、領土の拡大などまったく念頭にないのだ。とにかく本家を守るため、これだけのために広家は行動している。そして自らの吉川家は大名のランクから陪臣に下る。そんなことは本家を守るために屁とも思っていないところが潔いし格好いい。
お歴々の皆さんに真似が出来ますかな。
選挙も終盤戦である。頼むから候補者の皆さんには毅然と立っていてほしいものである。無理だと思うけど。
ブレまくった小早川秀秋は関ヶ原の合戦の2年後、慶長7年10月8日に21歳で悶死をしている。