京都五山の送り火は有名ですね。去年は友達のパセリ君が見に行ったそうだけど、あいにくの雨でよく見えなかったという話を聞いた。見るのもなかなか大変だ。
五山の送り火のうち、東山如意岳ものを「大文字送り火」という。「大」ってやつですよね。8月16日の夜に精霊を送るために焚く火のことで、その一番でかいのが京都のそれである。昔は京都だけだった。しかし夏の観光向けにあちこちでやるようになった。それでも盆の送り火であることは変わらない。
ところが山梨県笛吹市がやっちまった。
《大文字焼きがLED照明に》
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170819-00000000-jct-soci
「甲斐いちのみや大文字焼き」が観光を目的としていることは間違いない。初めは「大文字送り火」は京都でしかやっていなかった。それを奈良市などが真似をはじめて全国に拡散していった文化である。文化を観光に使ってもいいけれど、その根底にある文化的なものは揺るがせないようにしなければならない。
大文字はそもそも盆の送り火である。それは「火」である。「明かり」ではないのだ。火である以上、ちゃんと薪を燃やしましょうや。薪を山まで担ぎ、積み上げて、火を点けて燃やす。そのどの部分が出来なくなっても、それは盆の行事なのだからきっちりと継承していきやしょう。
山まで薪を担ぎあげる人がいなければ止める。
積み上げることが手間に感じたら止める。
火を点けることが危険ならば止める。
火の代わりに白熱灯だろうとLEDだろうと別のものにしたなら、それは送り火ではなくたんなる照明ではないだろうか。ウソ、エセの文化なら無くしたほういい。行政の浅知恵で後世につまらぬことを送ってはならない。
衆議院議員の長島忠美さんが死去された。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170819-00000508-san-pol
衆議院議員になられてまもなくの頃だったが、一度、中越地震の時の話をご講演してしていただいた。その時に個人的にお話する機会を得て、とても大らかな人柄を感じた。まったく威張らず、つねに謙虚な方だった。新幹線の駅までお送りする際も、小さなワゴン車に大きな体を縮めるようにして乗り込まれて、これまた長いお顔を(失礼)小さな窓から出してなんども会釈しておられた。
もちろんその一度きりの印象でしかないが、こういう人が災害復興にあたっているなら安心だなぁと思ったものである。ご冥福をお祈りします。