夕べのNHK「探検バクモン」
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が「立川談志」だった。
「立ち入り禁止エリア”や“超巨大施設のウラガワ”…普段は滅多に見られない場所を爆笑問題が大冒険!心躍るワンダーランドはこの世の裏側にこそある。いざ“ウラガワンダーランド”へ!」という番組コンセプトにそって「旧立川談志邸」をおちゃらけ太田と田中が訪問した。
今でこそ爆笑問題の二人はベテランと言われ、とくに太田は誰の前でもふざけたことをするようになった。しかし、昨日の談志邸では神妙だった。新人の頃に談志が爆笑問題をとくにかわいがったというエピソードも挟まれているくらいだから、本当の意味でかわいがられたのだろう。太田は終始緊張したように顔を引きつらせて、コメントもいかにも真面目なものだった。
談志の娘が、談志の宝物を披露した。それは手塚治虫からもらった黒のベレー帽だった。その時の話として、娘が語ったのは、「談志は手塚先生を天才だと評価していた。オレも天才だが手塚さんほどの天才はいない、と尊敬していた」ということ。
談志は、師匠の小さんにも逆らったほどの男である。参議院議員になっても国会を引っ掻き回した。そんな傍若無人な男が、手塚治虫の言うことだけは素直に聞いたのだそうな。
談志は天才だった。落語はもちろんのこと、歌舞音曲、童謡、映画、世相や国際情勢まで通じている。しかし、その天才をして「天才だ!」と言わしめた漫画家はやっぱりすごい。
やっぱり昨日、八王子の古本屋から漫画が一冊届けられた。手塚治虫漫画全集『罪と罰』(講談社)である。これは昭和50年代に入ってから採録されたもので、描かれたのは昭和28年頃とのことである。前回の呉智英さんの講義で斬新なコマワリを教えてもらったが、1ページ縦割り2コマが11ページにわたって続く階段のシーンは、他の漫画家ではできない。天才手塚でしか成し得ない手法だった。
たまたま漫画の天才の本が届いた日に、落語の天才の番組を見て、その二人が生前に交流があったというエピソードを聞く。ううむ、知識がつながっていくのが楽しい。